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股関節唇損傷 股関節鏡治療の光と影

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股関節唇損傷 股関節鏡治療の光と影

更新 2016年11月24日(木)
カテゴリ 股関節の保存施術
ハッシュタグ #股関節唇損傷  #学会  #保存施術  #股関節の手術  #関節鏡・内視鏡  #合併症・後遺症 
先日のブログの中でも触れましたが、今回の股関節学会では「股関節鏡治療の光と影」というテーマで股関節鏡治療の現状について専門医による討議が行われていました。
たとえ手術をしてもうまくいった方とそうではない方がいる。この違いは一体何なのでしょうか。以下、同学会の抄録からの引用です。

「2003年にGanzらによってFAIが提唱され、その後アメリカを中心に普及した股関節鏡手技の発展によりわが国でも急速な展開がみられました。しかし、わが国の股関節症は臼蓋形成不全を背景としたものが多く、いわゆるスポーツ障害と同じ土俵で扱うことは困難です。また股関節鏡の手技のコンセンサスが未だ変動していることを考えると、外国の先生がこう言っているからとか、エビデンスはこうだからと信じるのは危険であり、まだまだわかっていないことが多のも現実かと思います。手術は上手くいった、でも術後経過が期待と違ったという経験も少なからずあると思われます。経過が良くない症例は、術者ではない先生や施設で診察することも多く、今回は、股関節鏡を自ら行わず横でみておられる先生にも参加して頂いて考えを述べて頂きたいと思います。保険改正もなされ今後手術が増加することが予測されますが、不幸な患者を増やさないためにも、啓蒙的な内容にしたいと考えております。」

ginzaplusへはほぼ毎日のように股関節唇損傷関連の痛みでご相談を受けます。この2ヶ月間だけでも問い合わせメールは16件。これだけ多くの方たちが悩んでいらっしゃるのです。

1.「こんにちは。○○と申します。ホームページ拝見させて頂き、どうにか助けて頂きたいと思い、ご連絡しました。今年の5月にヨガで股関節痛が出現し、四ヶ所目の病院で股関節唇損傷と言われました。痛みがどんどん強くなってきていて、仕事も続けられるか心配になってきています。鹿児島在住なので、すぐには行けないのですが、予約が12月に取れたらと思っています。予約システムは二ヶ月先までしか取れないのでしょうか?どうか、よろしくお願いいたします。」

2.「はじめまして、こんにちは。右股関節唇損傷術後(昨年10月)以降リハビリを続けていまして、そうしている内に左股関節も痛くなり、今回はオペを回避できないかと考えています。ネット上の予約が11月末まで埋まっていて取れない状態の場合、予約はどうやって取ったらいいでしょうか?」

3.「ネット上にて「股関節唇損傷 痛み」の検索を行い一番最初に表示されました。こちらの医院を拝見し、問い合わせさせていただきました○○と申します。
初めまして。以下、箇条書きにて簡単な経緯および現状、どう対応すべきかのご質問を記したいと思いますので、誠にお手数かと存じますが、ご回答の程をよろしくお願い申し上げます。
(経緯)
平成27年10月、就労中に股関節を負傷。最終的に「股関節唇損傷・軟骨障害と診断される。経過観察や検査を経て平成28年7月19日、関節鏡視下術実施。8月2日退院。以降、週一ないし週二ペースでのリハビリを受けながら現在に至る。
(現状)
去る9月下旬に担当医の外来受診中、動きの確認と称して無理に股関節を左右に旋回されたことが元でこれまで感じたことがなかった激しい痛みが現れ現在もその影響により、それまで順調にリハビリが進んでいたところメニューがこなせず退院直後レベルまで巻き戻された状態になっています。そして、今月末をもってリハビリも終了宣告されています。担当医からの症状固定はまだ出ておりません。
(ご質問)
現在のリハビリは主に患部周辺のマッサージや可動域を確認しながらのベッド?台?での軽めの運動が主となり、トレーニングと称されるものは一切出来ておりません。(外来受診前まではマット上でのトレーニングが出来ていました。)
かと言って自主トレもなかなか捗らず、以前は動けていた動きが出来ないもどかしさでイライラとする日々を過ごしております。
痛みも激しい痛みこそ頻度は減りましたがまだまだ歩行も引っかかり感と鈍いズキズキとした痛みが残っているのですが、自身の痛みに対してやリハビリ、外来受診にどう対応していくべきか悩んでおります。
よろしくお願いいたします。(長文・乱文お許しください。)」


4.「股関節唇損害の内視鏡手術後3ヶ月がすぎ 日により違いがあるものの 痛みと違和感が消えません 主治医によるリハビリの指導は無く同じ病院の理学療法士によるリハビリを 週二回 自分でジムに通い筋肉トレーニングしています リハビリしてもらう理学療法士も5人目と変わります。少し方針もそのたびに変わります しっかりハッキリした目的と指導を受けながらリハビリしてもらう必要があるのではと思い 問い合わせしてみました」

5.「近所の個人の整形外科では病名を教えてもらえませんでした。様子を見てからとのことでした。整形外科の専門病院では右股関節唇損傷と言われました。どちらもレントゲンを取りました。消炎鎮痛剤のシップが出ています。痛くない日もありますが。痛みがある日はびっこひきひき歩いています。12月より仕事が始まりますが不安で仕方ありません。痛みが軽減する方法を教えていただきたいのです。宜しくお願いいたします。」

6.「お世話になります。左股関節痛があります。5ヶ月程前からです。〇〇病院股関節外来でMRIの結果、FAIとの診断でした。
水が溜まっていました。大腿骨から頸部にかけて穴があいているような所見でした。私も一応医師ですがFAIは初耳でした。股関節専門医からは手術成績が芳しくないので消炎鎮痛剤で様子みようとのお話しがありました。ネットでFAIを調べていたところginzaplusさんに出会った次第です。散歩やジョギングが好きだったのでまた楽しめる日が来てほしいというのが私の贅沢な希望です。少なくとも仕事や日常生活で痛みを感じずに過ごしたいものです。症状は、歩いている時は股関節の前あたりが痛いです。時に股関節の中でガクンと引っ掛かりズレのような感じの後、激しい痛みがおきます。その後は寧ろ歩きやすくなるということもあります。歩いている時つま先がひっかかりやすいです。股関節の状態(位置?)により膝の動きも制限される感じがあり痛むときもあります。以上、こんな感じです。よろしくお願いいたします。」

7.「医師からは股関節唇が切れている可能性が高く、手術を提案されています。症状は、左側の股関節周辺、臀部の痛み、腰、背中の筋肉の痛み、長時間の歩行で、さらに痛みが増します。歩行の中に、股関節が骨が当たるような感覚があります。」

8.「股関節の関節唇に2センチ程度(3センチ)未満の傷があるとMRIでわかり、関節唇損傷と診断され、やっと痛みの原因を知ることができました。手術についても説明をいただきましたが、可能なら保存療法でなんとかしたいと思い、こちらを見つけ、お世話になりたいと思いました。よろしくお願いします。」

9.「医師より症状(痛みなど)が進行する場合はすぐ手術する方がいいと言われている。現在の痛みは股関節唇損傷の痛みが大きく、その部分だけの手術だとすぐに再発するため骨切り手術を進められているが後遺症を考えるとできる限り避けたい。これまで軽症と思われた痛みはここ2,3か月でひどくなり、一応普通に歩けてはいるが、1日のうち痛みを感じる時間の割合がかなり高くなり場合によっては家事やパート仕事に少しずつ影響が出始めている状況。股関節周りの筋力を強化するためのストレッチなどの療法は痛みを感じるは避けた方が良いと言われていますが、何らかの痛みがほぼ常にあるとそのストレッチすらできない・・・でしょうか。そのストレッチについても、運動などが得意ではないため継続していくのがなかなか難しく感じます。どうしていいかわからず途方に暮れている状態です。」
10.「1年ほど前から、股関節を柔らかくしたいと思い、両足の裏を合わせて前屈したり、開脚して前屈したりを繰り返したところ、過度な体勢になったせいか、両側大転子あたりに痛みをおぼえるようになりました。大学病院にてレントゲンを撮ったところ、骨の形態には異常なく(軟骨の隙間も十分あり臼蓋形成不全でもない)、股関節唇損傷の疑いがあるとのことです。しっかりとした判断をするにはMRIではなく股関節鏡でないと解らないとのことでした。医師の所見では、手術は勧めない、痛くなる動作をせず、腹筋、背筋、腸腰筋を鍛えて様子を見るようにのことでした。あぐらは普通に出来ます。靴下も立ってはけます。車の乗り降りも大丈夫です。歩くと鼠蹊部や大転子あたりに違和感があります。股関節を内転させると痛みがあります。常に大転子あたりや鼠径部に痛みがあり、日中も横になることが多いです。精神的にも非常につらく、心療内科でうつ病の診断を受け投薬治療中です。手術は絶対にしたくありません。ネットでも保存療法の具体的な情報がありません。歩きかたや運動療法で改善できないものかと思い悩む日々を送っています。以前のように、趣味のバドミントンを楽しんだり活動的な生活が送りたいです。」

11.「6月初めくらいから時々、大腿部前面に違和感と痛みがあり、整形外科にて脊柱管狭窄(L3/L4)と診断をうけ、ソキソニンと湿布を処方されました。あまり状態が変わらないのでもう一度整形外科にて股関節のMRIを撮ってもらったところ、股関節唇損傷だと思われるとのことで、鎮痛剤(トラムセット)を処方されました。安静時は痛みはないのですが、立って作業をしていたり、歩いていると突然、痛みが走って動けなくなります(毎回ではありません)。」

12.「年末に駐在先のシンガポールにて両脚共に手術(掃除と少し削ったのみ)リハビリもほとんど出来ないままに帰国。鍼と整形外科のリハビリに通っているが(鍼は終了)
左足の可動域が極端に狭くなって来た。」

13.「今年春頃鼠蹊部の痛みを感じ、ストレッチをしたら痛みが強くなる。その後鼠蹊部以外の股関節の痛みが強くなる。病院でMRIを撮り、股関節唇の疑いと言われ、痛み止めと湿布薬を貰う。鼠蹊部のシャープな痛み(動かした時のみ)、股関節の鈍い痛み、足先のしびれ、こわばり」

14.「左股関節唇損傷、服薬、リハビリ療法中。10分の歩行も辛く、股関節を捻る、内外旋、屈曲時に激痛あり。 訪問看護、声楽家として、舞台上でのダンスなどの 様々な動きが困難。」

15.「月に一度、ステロイドの注射で温存治療をしていましたが、1年続けてこれ以上はステロイドを続けられないとのことで、他の温存治療方法を探しているところです。日常生活の中でも常に股関節の痛みがあります。股関節しん損傷と診断されているのは左のみですが、右も近い状態になってきているとこのとです。」

16.「サッカー、マラソン、空手、自転車、サーフィンなど長年スポーツをしてきました。 8年ほどまえ腰痛が発症し、その後足の付け根にも痛みがでるようになり、大学病医院へいったところ、臼蓋形成不全、変形性股関節症と診断されました。 大学病医院より紹介を受け5年前に〇〇病院で内視鏡手術を受けましたが改善はありませんでした。 最近は痛みがひどくじっとしていても痛みがあり困っています。」

寄せられるメールをご覧頂ければ、股関節唇損傷を取り巻く現状がご理解いただけるでしょう。手術への適応や長期的な成績は未だ不透明な点が多く、術者や医療機関により得れる情報にもかなりの差があるようです。手術による安全性が確認されるまでにはもう少し時間がかかりそうです。
ginzaplus 佐藤正裕



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