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変形性股関節症 小ネタ@股関節学会

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変形性股関節症 小ネタ@股関節学会

更新 2016年11月16日(水)
カテゴリ 股関節の保存施術
ハッシュタグ #学会  #人工関節  #骨切り  #関節鏡・内視鏡  #合併症・後遺症 
今日は股関節学会での小ネタ、私なりの楽しみ方をご紹介します。まず「学会」というと、何か特別な、専門家以外の人は足を踏み入れることができないと思われがちですが、実際には様々な職種が出入りし最近では杖をつかれた患者さんの姿も目にします。股関節学会に登録していると決まって学会直前には下の写真のような分厚い資料が送られてきます。その中から予め興味を持った演題や発表をピックアックしておくと当日は効率的に回れます。
何といっても旬な情報を瞬時にキャッチできる、この学会の魅力です。インターネットの影響からか色々な情報が蔓延しますが、一年の総まとめ、知識の整理に大いに役立っています。残念ながら今年は、保存療法に関する話題はほとんどありませんでしたが、手術を行う医師からも「筋肉」に着目した報告が数件聞かれました。手術前後での筋力の回復に関する研究や筋肉にターゲットを絞った痛み治療の報告など数こそ少ないですが将来性を感じさせる有意義な報告です。

その中のおひとり、ある医療機関の整形外科医師とタイミング良くご挨拶できる機会に恵まれ自己紹介を交えながらお話させて頂きました。実はこちらの先生、手術経験豊富にも関わらず保存療法派。患者さんが望めば手術もなさるようですが、それ以外、診察時にはほぼ保存療法の話ばかりだそうです。こういった情報交換の場がもてるのもこの学会ならではの魅力ですね。また興味深い点としては、研究に対する思いやその背景を直接確認できることです。

例えば、あるセッションの中で症例検討が行われていましたが、「10代男性、スポーツに熱心でスポーツ中に発症した股関節痛。CE角は20度以下の臼蓋形成不全。本人はスポーツを継続したい。さぁあなたなるどうする??」

そんな内容の演題が壇上の先生方や会場に届けられたのですが、ある大学病院の医師が「骨切り手術」を提案されたところ、すかさず会場から(テレビでも有名な医師ですが)
「骨切り手術をしたら好きなスポーツも続けられなくなる、それでも行うべきなのか?」との意見が述べられていました。こうした展開もまさに私からすると、両医師の担当患者を日頃拝見させていただいているので、患者さんの心境や告げられた治療方針の意図が理解できるようで非常に参考になります。
臼蓋形成不全のセッションの中では、「日本人の変形性股関節症の約8割は臼蓋形成不全である」と報告された有名な専門医の口から、臼蓋形成不全から発症する変形性股関節症には「骨の問題だけではなく、性別、スポーツ、仕事などが関与する可能性がある」後付けで報告されたことも現場でしか聞けない大きな収穫です。

もう一つ、学会での楽しみ方としては外国人医師による講演です。今回はアメリカ人医師による前方侵入による人工関節に関する話がありましたが、日本では前方侵入の手術は、単に入院期間が短い、侵襲が少ないなどのイメージが先行しがちですが、実際にはそれ以外にも多くのメリットがあることが分かりました。様々な情報も日本語というフィルターを通してしまうと、本当の真意が伝わりにくくなりますが、実際の現場の声を生で聞くと真意が伝わりやすくなります。

特に変形性股関節症の治療領域、やはり先進の国から学べるものはその言語を通じて学ぶべきなのでしょう。学会では、各地の医療機関で精魂込められた作品(研究)が一度に聞ける貴重な場です。論文では表現されなかったその裏側を読み解けるのも研究者の本音が聞けれるのも、この場に参加することで得られる特権でしょう。

来年は、東京・新宿で行われます。手術を考えている方、また、どこの病院で手術を受けようか迷っている方、参考になる情報が聞けるかも知れません。
ginzaplus 佐藤正裕



更新 2016年11月16日(水)
カテゴリ 股関節の保存施術
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