鼠径部痛症候群とは
アスリートに生じる大腿部付け根周辺の痛みを、スポーツ整形領域では特に、鼠径部痛症候群 (グロインペイン症候群 Groin Pain Syndrome) と総称し診断されることがあります。
そのきっかけは、瞬発的なダッシュや切り替え動作、蹴り上げの連続や反復される着地動作などです。
世界的にも有名な多くのサッカー選手が苦しめられてきたように、鼠径部痛症候群はスポーツ領域において決して珍しい症状ではありません。
サッカー以外では軸足を作るようなテニスやバドミントン、ジャンプが繰り返されるバレーボールやバスケットボール、コンタクトスポーツではラグビーやアメリカンフットボールなど、他に、必要以上の動きを要求されるようなバレエや新体操でも同様の症状が認められます。
治療法
鼠径部痛症候群は、かつては鼠径ヘルニアがその原因として考えられ、多くの手術が行われてきました。
しかし現在では、筋損傷や腱鞘炎、あるいは疲労骨折や股関節唇損傷などが鼠径部痛症候群の原因と捉えられ、約8〜9割は保存療法で治癒されます。
保存療法
まず優先されるべきは、痛み治療です。
痛みの誘発因子となる、日常生活場面における股関節の動かし方や姿勢、あるいは競技特有の運動パターンなどを理解し、運動に直接関わる筋肉の状態を改善させることが先決です。
鼠径部痛症候群と診断されるアスリートの多くは、股関節周囲筋の柔軟性の欠如と筋力低下が認められます。
そのため、硬くこわばった筋肉には、徒手的に介入することで適度な柔軟性を回復させ、また、上手く使えていない筋肉に対しては、収縮形態を身体へ覚え込ませ、基本動作から協調的な正しい身体の使い方を学習していくことが必要です。
鼠径部痛症候群との診断を受けても、ご自身の判断で過酷な筋力トレーニングに励んだり、運動を止め、安静にするのではなく、専門家による客観的な評価のもと、「鍛える」から「使える」発想へと思考を切り替えていくことも、早期解決、再発予防を目指す上で大切です。
鼠径部痛症候群の施術事例(全1件)
保存施術+ 手術を回避
数多くの著名なサッカー選手をも苦しめてきたグロインペイン(鼠径部痛症候群)。股関節への急激なストレスが股関節痛の原因となっていることがあります。
ご相談いただいのは50代の男性です。海外の2ヶ所の専門医療機関で鼠蹊部痛症候群と診断され、注射か手術を宣告されています。
きっかけとなったのは、サッカーの練習中です。痛みを感じ、安静にしていてもおさま . . .
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股関節痛の原因には、様々なものが考えられます。
怪我や疲労。加齢に伴う関節の硬さや筋力低下。精神的な不安や焦燥感。
今回はスポーツによる股関節痛です。
ランニングやキック動作など度重なる股関節の運動により股関節を痛めることがあります。スポーツにおいては専門的にはグロインペインや股関節唇損傷と診断されることが多いかと思われます。
現地 . . .
先日は深夜より多数のお申し込みを誠にありがとうございました。開始後わずか数分で全てご予約済みとなりましたが、いくつかお時間を調整しながらご案内できる日程もございます。もし、施術をご希望されるようでしたら、ご都合の宜しい日程を明記の上、ご相談下さい。順次、優先的にご案内させていただきます。
痛みはとにかく初期対応が極めて肝心です。不安や怖さ . . .
今週末日本では奈良で第48回日本股関節学会学術集会が開催されました。あいにく仙台出張だったため直接伺うことはできませんでしたが、抄録が送られてきましたので興味ある項目だけコピーをしファイリングしておきました。
同じ時期に来年ドイツ・ベルリンで開催される変形性関節症の国際学会(OARSI)の案内がAir mailで届きました。今年はオンラインでの開 . . .
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