股関節の病気

小児の股関節痛

小児の股関節痛が増えています

驚くことに、最近ginzaplusでは、小学生や中学生(〜15歳まで)を中心に股関節痛を訴え、ご相談を頂くケースが顕著に増えてきています。その多くは医療機関において「先天性股関節脱臼」や「臼蓋形成不全(寛骨臼形成不全)」と診断されていますが、医療機関での治療方針に疑問をお持ちになっている方もいらっしゃいます。

生まれた直後に発覚した股関節の脱臼や亜脱臼には、速やかに整復あるいは装具による保存治療が行われます。しかしながら、その後の学童期における股関節痛には、医療機関によって様々な方針や考え方があり、治療方針に大きなばらつきが見られます。

例えば、ある医療機関では、成功率が高いことを理由に、8〜9歳までなら「骨切り手術」を積極的に推奨します。また別の医療機関では、総合的に判断して、骨の成長が終わる15歳くらいまでは外科手術を行わない施設も存在します。

小児股関節治療の問題点とあるべき姿

では、どのような症状、どの程度の形成不全に、どのような治療を行うべきなのでしょうか。 本来は、小児・成人にかかわらず、股関節痛の状態とあわせて年齢や体格・体調などを正確に分析し、中長期的な視点で、保存療法を行うべきケース、手術を併用した方が良いケースを判断しなければならないとginzaplusでは考えています。

しかし残念ながら、この点に関して、医療機関を通じた一定のコンセンサスは得られていません。 日本における股関節治療は、小児は小児、成人は成人という形で「個別に」扱われる傾向が強く、小児から成人への架け橋が希薄となるため、長期的な経過を追えていない(成長にあわせての継続的な経過観察と治療ができていない)のが実情です。

専門家の中には、症状が現れていない股関節へメスを入れることに、慎重に判断する者もいます。それは、過剰医療になる恐れがあるだけでなく、幼少期の治療が必ずしも完治に繋がるものではない事を意味しています。

小児の股関節痛予防のポイントは「筋力」

では、なぜ近年になって⼩児の股関節痛が増えてきているのでしょうか?⼩学⽣・中学⽣・学童期のお⼦様の股関節痛の正体な何なのでしょうか︖ ginzaplusでは、その多くは「筋力」だと考えています。もちろんその一要因として、整形外科的な臼蓋形成不全やCAMなどの形態異常の可能性もありますが、それ以上に筋力の問題が深刻です。⾝体を⽀えるための基本的な⼒が極端に衰えてしまっているのです。

この筋力の問題は環境に依存する部分が多く、幼少の頃からスマホやゲームが⾝近にあり、正しい姿勢が取れていない中で、急激に部活動や体育の授業で運動量が増した結果、⾻や筋⾁がついていけず、股関節を痛めてしまうことになります。 具体的な症状として、例えば「良くつまずく」「頻繁に転ぶ」場合や、割り座やぺちゃんこ座りなどの癖がある場合は要注意です。 そのままでは成長が進む一方で、知らぬ間に身体を支える筋力が衰えてしまい、将来的に変形性股関節症を発症させるリスクとなります。

また、成⻑期やスポーツに熱心なお子様の多くは、⾻の成⻑に筋⾁の成⻑が追いつかず、筋⾁が付着する関節周囲で痛みを発⽣させます。これがいわゆる「成⻑痛」です。 近年の変形性関節症国際学会(OARSI)では、外傷性の怪我(急激なターンや接触プレー、転倒など)も変形性関節症の原因として報告されます。加えて、先述したような股関節の特異的な運動パターンが併発されれば、細心のケアが必要になります。 このため、正しい姿勢と適切な運動量を⽇頃から意識し、適切なストレッチと⽴つ・歩くために必要な基本的な筋⼒を育むことで、これらの痛みの多くを予防することができるようになります。

小児〜成人にかけて継続的な対応が必要です

このように、成人だけでなく、小児の股関節痛にも、日本国内の対応にはまだまだ多くの問題があります。もちろん手術が最善となるケースもありますが、実際に小児期に何らかの治療(ギプス固定、骨切りなど)を終え、医師からは「完治」と告げられた方たちが、30年〜40年経って再び股関節痛を抱え、ginzaplusにお越しになられる方がいらっしゃいます。

その意味でも、小児の段階で股関節の不調がある場合は、保存療法と手術療法の必要性について正しく判断し、中朝的に経過を見ながら、適切な治療を施していくことが非常に大切です。

多くの股関節痛は日常動作や生活習慣と密接な関わりがあります。手術をしても、していなくても、普段の日常からきちんと丁寧に、股関節を意識し使えるようになることが、再発予防、将来の健康にも直結するのです。

ginzaplusでは、小児の股関節痛においても成人と同様、症状の改善と手術前・手術後のリハビリの施術メニューをご用意しております。セカンドオピニオンも実施しておりますので、遠慮なくご相談下さい。

小児の股関節痛の施術事例(全8件)

[施術事例] 小学生 歩き方矯正 内股

保存施術+
幼少期の姿勢や歩き方の癖が、大人になってからの変形性関節症の発症と結びついているように思われます。特に、猫背、内股、反り腰の方では、将来的な股関節疾患にも注意しなければならないでしょう。 ご相談いただいのは小学5年生の男の子です。医療機関にはかかっていませんが、歩き方がおかしいとのことでご両親に付き添われ、大阪出張時にお越しいただきました。 1 . . .

[施術事例] 小学生 原因不明の股関節痛

保存施術+ 手術を回避
成長期の股関節痛も、普段の姿勢や歩き方が原因であることが多くあります。 ご相談いただいたのは、10代の小学生です。複数の医療機関にかかりMRIやエコーの結果、原因不明とのことです。 きっかけとなったのは、バスケットボール部の練習の最中です。シャトルラン後に痛みが発症し、歩き方にまで影響が現れ、お越しいただきました。 2回の施術を行い、3ヶ . . .

[施術事例] 10代 臼蓋形成不全 転倒傾向

保存施術+ 手術を回避
幼少期の転倒経験の有無は、大人になってからの変形性股関節症と密接に関わりがあると考えています。 ご相談いただいたのは小学生です。医療機関では臼蓋形成不全と診断されています。 野球の練習中や普段でも「転ぶ機会が増えた」と心配になってご家族に連れられ、お越しいただきました。 1回の施術前後の様子です。 左側:施術前 右側:施術後 f . . .
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小児の股関節痛のハッシュタグを含むブログ記事(全4件)

臼蓋形成不全 猫背と内股と反り腰

昨日は鹿児島から遥々飛行で。着物でホテルでアフタヌーンティーを愉しまれるそうです。いいですね、優雅ですね。 さて、今日は小児の股関節についてのご相談です。お子さんの相談が多くあったため2019年に「小児の股関節痛」のページを開設しました。 https://ginzaplus.com/jp/symptoms/10/ 日本人に発症する変形性股関節症の . . .

小児の股関節痛とリハビリ

実際に直接ご指導できればよいのですが、遠方だとそうはいかないかも知れません。それでも書籍を通じて、少しでも改善の兆しがあれば、手術は避けられるでしょう。 ご報告をありがとうございました。体操で改善されるのですから、股関節の使い方に問題があったのでしょう。 股関節とは、あらゆる方向に動く関節です。そのため多くの筋肉に囲まれています。これまで酷 . . .

小児の股関節痛 増設しました

小学生や中学生のお子さんが、股関節痛を抱えご相談いただくケースが増えています。幼少期の身体の使い方や運動不足、または怪我の影響が、変形性股関節症と密接な関わりがあることが、今年の変形性関節症国際学会でも報告されていました。 この度、新たに「小児の股関節痛」 https://ginzaplus.com/jp/symptoms/10/ のページを設置いた . . .
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