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変形性股関節症 手術後の痛み「術後遷延痛」

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変形性股関節症 手術後の痛み「術後遷延痛」

更新 2017年10月25日(水)
カテゴリ 股関節の保存施術
ハッシュタグ #変形性股関節症  #学会  #保存施術  #股関節の手術  #合併症・後遺症  #研究論文 
今回の股関節学会の話題をもうひとつお届けします。手術後に痛みを訴えるケースです。多くの場合、手術をすれば痛みが速やかに解消されると考えられていますが、中には、明らかな病変がないにも関わらず、痛みを訴える方がいらっしゃいます。

こうした痛みにも原因があり、国際疼痛学会では「術後遷延痛」と扱われる症状です。
股関節の手術後の発症率は10%。それほど多くはないように受け止められますが、やはり、手術を受ける方、その後のケアに携わる専門職は知っておくべきでしょう。

そのリスクとして考えられているのは、

1. 術前の1ヶ月以上持続する中等度以上の疼痛 
2. 複数回の手術
3. 精神的に弱い(破局的思考)、不安が強い
4. 女性、若年成人
5. 遺伝的要因

こうした条件にあてはまる場合には、手術後の痛みに悩まされるリスクもあります。

また、手術後の影響として起こりうる可能性があるのは、

1. 急性の中等度以上の疼痛
2. 鬱
3. 精神的な問題

特に、手術への理解が十分に得られなかったり、医療者との信頼関係の構築、手術への不安が非常に強い場合には、注意が必要でしょう。想像した術後の現実との落差、また、手術後に知った新たな情報を受容できずにいるケースにも度々遭遇します。手術後のレントゲン画像や運動機能レベルには問題がないにも関わらず、いつまでも杖が外せなかったり、不定愁訴が続く場合もあります。

こうした痛みも「術後遷延痛」と捉えられるでしょう。ペインクリニックで扱われることもありますが、通常の運動療法では即時効果は難しく、精神的なサポートが優先されるべきです。診療ガイドラインでは心療内科への紹介、そして認知行動療法的アプローチが有効と推奨されています。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)



更新 2017年10月25日(水)
カテゴリ 股関節の保存施術
ハッシュタグ #変形性股関節症  #学会  #保存施術  #股関節の手術  #合併症・後遺症  #研究論文 

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