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[医学的エビデンス] 変形性股関節症 50歳未満の進行期・末期への効果

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[医学的エビデンス] 変形性股関節症 50歳未満の進行期・末期への効果

保存療法の効果を示す研究論文

海外では多数ありますが、日本では積極的に保存療法を推進する医療機関も少ないため、なかなか探し出すことも困難です。それでも、取り組んでいらっしゃる先生方もいらっしゃいます。

ご紹介するのは「進行期」と「末期」の変形性股関節症と診断された方たちに対する運動療法の効果です。

研究対象は、男性2例、女性18例。平均年齢は44歳(29~49歳)
平均治療期間は2年9ヶ月(1年~5年5ヶ月)
保存療法開始時と終了時にレントゲン撮影を行い、アンケート調査で痛みと運動機能の改善の度合いを検討されています。

結果、保存療法を開始後、関節の隙間が1mm以上に拡大した方は3例、1mm以下の拡大を認めた方が4例、不変が9例、狭小化が進行したのは9例。

検討課題

▲ Mitani : 関節外科 30(9): 1038-1044, 2011.から抜粋
進行期や末期の場合、運動刺激が軟骨の隙間の減少や変形への誘発因子となることがあります。進行期のような方を対象とした場合、関節内の状況は非常に不安定であり、運動の方法や強度によっては、軟骨の隙間の狭小化へ繋がります。一方で、症状に見合った運動強度を設定できると、軟骨の隙間が拡大することもあります。どちらに転がるかの判断は難しく、常に対象となる方の症状を見極め、運動の負荷の量やレベルを調整していくことが大切です。

症例検討

ご紹介するのは40代の女性です。

臼蓋形成不全と変形性股関節症「末期」を宣告され、ginzaplusでの施術がスタートしました。保存施術開始時の軟骨の隙間は下のレントゲン画像、一番左側の写真です。不明瞭であり、痛みを訴えれば、おそらくどの先生も真っ先に「人工股関節を」をアドバイスされるでしょう。
そして、2年半の保存施術を経て現在は向かって右側の写真です。軟骨の隙間も確認され、臼蓋形成不全との診断でしたが、骨まで再生されています。痛みも解消し、運動機能も回復されています。レントゲン写真もあくまでも客観的な指標ではありますが、こうした変化も望めると安心感にも繋がります。ただ、繰り返しになりますが、運動療法を継続することで、画像上の悪化が伴っても痛みや運動機能が回復していくこともあります。進行期や末期で保存施術を選択される場合でも、レントゲン所見の変化に一喜一憂することなく、まずは、自覚的な痛みや活動度の変化に注目してみましょう。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)



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