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[歩き方] 変形性股関節症の痛みも歩き方で変わる

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[歩き方] 変形性股関節症の痛みも歩き方で変わる

更新 2014年04月02日(水)
カテゴリ 股関節の保存施術
ハッシュタグ #変形性股関節症  #研究論文 
変形性股関節症も、日本語での情報だけに頼っていても、なかなか良い情報は得られないかも知れません。視野を広げてみましょう。世界は一歩も二歩も進んでいます。海外の文献や研究報告に精通さえできれば、もう少し進んだリハビリを皆さんにも提供できそうです。万人に、とまでは言わなくても、おそらく多くの方に共通した効果が期待できるでしょう。さて、変形性股関節症に関する研究論文を調べていると、いかに"膝関節"の研究が多彩で、充実しているのかが分かります。日本においても、やはり、膝や肩に人気が集中するように、股関節は、マイナー分野として扱われるのかも知れません。

例えば、Gait Re-training=歩き方を整える、という考え方。股関節症においても、「歩き」に関する研究は、いまだ未分化なだけにそれだけに可能性も秘めています。膝関節においては、既に研究報告からも効果が示されており、具体的にいくつかの歩きパターンを実践することで症状の改善が認められています。変形性関節症へと移行して過程の中で、必ずといってよい程、レントゲン上の変化が確認されます。関節症の病態は非常にユニークであり、初期~進行期へと差し掛かるプロセスの中で、ある一定の変化を経て、軟骨の隙間が狭くなっていくのが分かります。

そこに目をつけたのが今日ご紹介する研究の独自性です。股関節症の保存療法の実践にあたっても参考になる報告です。膝関節症患者さん10人を対象に、関節への負担を避けるような歩き方を症状に合わせ2パターン用意し、約1ヶ月に渡り実践した結果、痛みと運動機能に大幅な改善が認められています。
▲Shull PB, et al. J Ortho Res 2013;31(7):1020-1025.
保存療法として扱われるのは、一般的に、脚上げやストレッチなどですが、それら以外にもこれまでとは異なる新しい歩きスタイルを学ぶこと、日々の生活、職場などで最低2ヶ月、実践することが推奨されています。

"Can walking differently reduce pain? Though this question has not yet been explored
in depth, a recent study examined how an altered gait pattern can reduce pain after
six weeks of training"

これまで深く研究されることが少なかった「歩き」の研究。今後新たに注目を集めることで、更なる効果が期待できそうです。繰り返しになりますが、同じ関節症であっても、股関節に比べ膝関節は飛躍的に進んでいる印象を受けます。軟骨移植、再生医療の分野でも一歩先を行くのが膝関節です。また「歩き方」への介入は、変形性関節症、あるいは臼蓋形成不全を診断された方にとっては外せない命題です。歩きの修正を望むのであれば何より"手術前"がお勧めです。身体の反応が、手術後とでは格段に異なります。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)



更新 2014年04月02日(水)
カテゴリ 股関節の保存施術
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