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[人工股関節のリスク] 入れ替え 再置換

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[人工股関節のリスク] 入れ替え 再置換

確かに人工股関節への置き換え術は徐痛効果に優れた手術方法です。ただ身体に人工物を置く手術ですから、できれば避けたいものです。

人工股関節を視野に入れた場合、検討しなければならないのは、手術後の再置換、入れ替えです。人工関節は消耗品との考えも欧米では存在します。
人工関節は主に4つの素材から成り立っています。ポリエチレンンという素材でできた人工軟骨が摩耗したり、人工物周囲にゆるみが生じることで、再置換を迫られることがあります。一般的には15~20年といわれていますが、現在では改良されもっと長くもつ素材が開発されています。

アメリカ・ニューヨークの整形外科ドクターが約200例、人工股関節術後の患者さんを対象に耐久年数の向上を目的に研究論文を発表されています。

Won Yong Shon, MD et al:Impingement in Total Hip Arthroplasty
The Jounal of Arthroplasty Vol.20 2005
調査の中で再置換術を必要とされるかたたちの実際の人工関節の状態をGrade1~4まで段階分けし、再置換に至る経緯を検証しています。
上の写真のように、AやBではほぼ損傷がみられませんが、CやDでは完全に変形してしまい辺縁部にまで影響が及んでいます。

こうした原因の背景として考えられるのは、人工股関節の治療手技、実際に中にいれた人工部における骨盤側と大腿骨側と組み合わせ、その後の生活の仕方や股関節の動かし方などが考察されています。コンピューターナビゲーションや最小侵襲手術など、術者が実際に視覚的に確認せずに行われる状況下での手術など、さまざまな因子が疑われています。

また、手術後の患者さんの意識として、過剰に動かし過ぎたり激しいスポーツに参加したりなど、人工関節に対するイメージが「消耗品」的な感覚に陥るリスクについても触れられています。

ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)



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