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[体験談] 人工股関節手術後(両側例)

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[体験談] 人工股関節手術後(両側例)

手術後の違和感や喪失感

股関節痛の原因にも「身体」の問題と「心」の問題、両方の問題が混在していることがあります。

国際疼痛学会(IASP)では痛みとは、「実際の組織損傷もしくは組織損傷が起こりそうな時に付随する不快な感覚および情動体験、あるいはそれに似た不快な感覚および情動体験」と定義されます。つまり、長引く痛みの正体は単に関節(=身体)の問題だけにとどまらず、家族や友人関係など目に見えないストレス(=心)も痛みの原因となっていることがあるようです。

医療機関へかかると、どうしてもレントゲンやMRIなど画像所見が主体となり、関節そのものに痛みの原因を求めますが、真の痛みの原因はそことは別のところに存在することさえあります。

こちらの方は、もう10年以上前に人工股関節による置き換え手術を行いましたが、今も時折現れる不調に悩まされています。軟骨のすり減りや骨の変形だけの問題であれば、関節を置き換えれば解決されそうですが、痛みとは、そう単純なものではないようです。

最近では家族関係、特にご夫婦間でもトラブルも背景にあるように思われます。痛みに対する理解や協力、股関節痛を乗り越えるためには一緒に生活するパートナーの存在はとても重要です。気が付かないところで、ストレスを抱えることがないようにしておきたいところです。

軟骨すり減り説はもう古い?

変形性股関節症とは、たしかに、軟骨がすり減り骨が変形する病気ではありますが、ただ、それが痛みの原因を指し示すものではないようです。

Basic Scienceの専門家たちが軟骨のすり減る様子とその治療の研究をして下さっているのと同時に、世界の痛みの専門家たちも、目に見えない痛みを科学的に捉え、実態の解明に乗り出しています。痛みを個として捉える視点とトータルな判断が臨床家には求められます。

単純なようで意外と複雑なのが痛みです。たとえ、手術を希望されているような方でも、痛みへの理解が変わるだけで、もしかすると、手術の必要はないのかもしれませんし、また、手術後の感情も変わってくることでしょう。

痛みの発生には、様々なことが絡んでいます。家族のことや職場関係、ご近所付き合いや友人関係など。知らず知らずのうちに痛みを生じさせる環境に身を置くことがないように、最終の決断が下される前に、可能な限り条件を整えておきたいところです。

痛みの原因は何か。

やはり、画像上に映る骨や軟骨が問題なのか。それとも、個を取り巻く環境やストレスが原因なのか。あるいは両方存在するものなのか。これを機に改めてじっくり考えておきたいところです。

ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)



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