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[研究論文] 臼蓋形成不全に併発した股関節唇損傷への注意点

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[研究論文] 臼蓋形成不全に併発した股関節唇損傷への注意点

股関節唇損傷と診断され、内視鏡の手術を受けた方がお越しになられます。

特に問題となっているのは、臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん) + 股関節唇損傷(こかんせつしん)と診断され、内視鏡術を施行された方たちです。

ある大学病院の整形チームが昨年の股関節学会でそのリスクについて触れていますので、一部ご紹介させて頂きます。

【股関節鏡手術後に関節症変化が進行した臼蓋形成不全】

目的:
臼蓋形成不全に伴う二次性の変形性股関節症股関節唇損傷に対してこれまで自骨術、RAOを選択できないか、もしくは希望しない症例に対し股関節鏡を施行してきた。
このうち関節鏡施行後に関節症変化が短期間に進行してきた症例を経験したので報告する。

方法:
2009年7月から2011年1月まで、関節鏡施行後6カ月以内に単純レントゲン上、関節症変化が進行した症例は4例。平均年齢61(59~64)歳であった。関節症の病期は、初期で2例、進行期で2例であった。可動域は、外旋、内旋で低下を認めた。

考察:
これまで股関節鏡手術は、膝や肩などの他の部位比べ、その解剖学的な問題などから症例が少なかった。近年、器械や患者ニーズにより侵襲の少ない関節鏡手術が増加しているのが現状である。しかし、臼蓋形成不全に伴う二次性の変形性股関節症に対する股関節の症例で、関節症変化が進行する危惧があることも考慮すべきである。

参考:第38回日本股関節学会学術集会抄録から抜粋

実はこの年、他にも「臼蓋形成不全を伴う術後成績不良例」の報告が、股関節鏡の有名な病院からもされています。

こうしたリスクについて、手術前に触れられることは少ないようですが、仮に順調に回復しなかったときには、長期的なリハビリが必要です。筋力の回復、可動域の改善には相当な努力が必要になってきます。内視鏡術を決意したからには知っておきたい情報です。



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