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[研究論文] 人工股関節手術後の痛み

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[研究論文] 人工股関節手術後の痛み

最近の傾向

人工股関節による手術件数が再び増え始めています。

コロナ禍における医療体制から解放され、また、コロナ禍における不活動の生活が人工股関節の選択を余儀なくさせているのかも知れません。今後更なる手術件数の増加と伴に懸念されるのが、手術後のトラブルです。

手術前には想定していなかった違和感や痛みに悩まされることがあります。

2022年の股関節学会でもいくつか報告されているようです。まずは、手術後の後遺症・合併症が生じないことが一番ではありますが、もしもの場合には、こうして真摯に痛みと向き合って下さる医療者がいることは、大変心強いことです。

術後遷延性疼痛 (Chronic PostSurgical Pain)

学術的には、手術後のトラブルは「術後遷延性疼痛(Chronic PostSurgical Pain:CPSP)」と表現され、多くのエビデンスにも支持されています。

術後遷延性疼痛は、単に手術後の問題だけではなく、手術前にも実はそうしたリスクを抱えている方がいらっしゃる事が分かっています。

例えば、

★比較的若年者
★中枢感作
★破局的思考
★メンタルヘルスにも問題

などが組み合わせれば、事前に、術後に備える必要があるかも知れません。

また、手術後においても、

★不十分な疼痛管理
★リハビリ不足
★合併症

など、こちらは一般的に認識が深い領域かと思われます。

研究報告からも指摘されるように、股関節の痛みとは、股関節だけの問題に留まらず、「人の営み」「人間同士の繋がり、関係性」など、多岐に及ぶため、その解決にも広い視野で股関節痛を捉えていく必要があるのでしょう。

「手術前」と「手術後3~6ヶ月」が勝負

手術を決断されたのならば、最新のエビデンスにも耳を傾けながら、満足のいく結果に辿り着きたいところです。そのためには、手術前から手術後へ向けたトータルな視点で、戦略を練ることも必要でしょう。

「手術前リハビリ」については、下記のサイトでもご紹介しておりますが、何よりの最大のメリットは手術を回避できる可能性があるということです。医療機関では一般的にかなり早いタイミングで手術を勧めてきます。心身の状態をスクリーニングにかけ、手術に適しているかどうかの判断に役立てましょう。
手術前の方へ:https://ginzaplus.com/jp/treatment/level3/

そして、「手術後リハビリ」については、術後3~6ヶ月が勝負のタイミングです。まずは、この間にきちんとしたリハビリを提供して下さる施設を探しましょう。術後の突っ張り感や違和感、動きの問題などから生じる跛行を正すには、活動量が増えるこの時期が最適です。オリジナルの癖が身に付いてしまう前に、動きの基礎から確認しておきましょう。

術後遷延性疼痛に至らない、再度手術を経験しないためには、同じエラーを繰り返さない意識が大切です。

ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)



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