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[画像所見の活用方法] 痛みの原因を探す

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[画像所見の活用方法] 痛みの原因を探す

更新 2014年09月03日(水)
カテゴリ 股関節の保存施術
ハッシュタグ #変形性股関節症  #股関節唇損傷  #学会  #研究論文 
股関節の痛みとは、もうすでにお気付きの方もいらっしゃるでしょうが、レントゲンやMRIなどの画像上に問題があっても、日常生活を見直してみたり、これまでの癖を直したり、股関節の運動をすることで楽になることもあるのです。ただなかなか病院では、そうしたことは教えてはくれないかも知れません。診察で混雑していますし、リハビリ室が充実していなかったり医師と理学療法士との連携が少ないことも要因かも知れません。制度的にもそして物理的な環境と整えることで、もっと痛みを克服できる方たちがいらっしゃるでしょう。

診察室では決まって画像所見の結果が話題に上がります。軟骨のすり減り、骨の変形などは果たして、本当に、痛みの原因なのでしょうか。

いくつかご紹介させていただきます。まずは「腰」について。

腰痛経験のない52%にヘルニアや他の異常がMRI上確認されます。同じような研究では、一度も腰痛を経験していない1/3の人に脊椎の異常が確認されています。別の研究では、60歳以下の20%にヘルニアの存在が分かったとの報告もあります。

"52% of people with pain free backs had at least one bulging disc or other
MRI abnormality. In a similar study, one third of individuals who had never
suffered back pain had a substantial spinal abnormality, and 20 percent
under the age of sixty had a herniated disc."
「膝」

膝痛の経験のない20~68歳を対象とした調査では、少なくとも3箇所以上の骨格異常が確認されるとの報告です。

"60% of people with pain free knees, aged 20-68, showed abnormailties
in at least 3 of 4 regions of the knee."

「肩」

肩の痛みのない人には、23%に腱板断裂が確認されるとの報告です。

"23% of people with asymptomatic shourlder had a rotator cuff tear."

最後に「股関節」

股関節痛のないホッケープレイヤー約7割がMRI上、骨盤や股関節に何らかの骨格異常、54%に股関節唇損傷が確認されるとの報告です。
"Among pain free hockey player, 70% had abormal pelvis or hip MRIs,
and 54% had labral tears."
つまり、画像所見上の異常が必ずしも痛みの存在、場所の特定を指し示すものではない可能性があります。多くの専門家は、痛みの原因は画像所見にあると信じ切っています。先日参加した勉強会では、Jリーグのあるチームドクターがお話しして下さいました。

「画像所見を診るのは最終手段。臨床的に突き詰めた結果、必要な場合にのみ診ることが望ましい」

確かにこうした考えがないと予防が根付きません。医師が診る前に理学療法士が評価し、必要事項を医師やトレーナーに申し送る。こうしたスタイルが現代風の痛み治療においては必要に感じています。画像所見ありきで話しを進めてしまうと、結局は、外科治療しか方法がなくなってしまいます。関節を整えれば痛みが治る、と。しかし、これが本当にベストな手段でしょうか。誰も身体にメスを入れることなど望まないでしょう。股関節のようなデリケートな場所なら尚更です。

ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)



更新 2014年09月03日(水)
カテゴリ 股関節の保存施術
ハッシュタグ #変形性股関節症  #股関節唇損傷  #学会  #研究論文 

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