日本では保存療法 vs 手術療法との印象で捉えられがちですが、実際には全くそうではなく、質の高い保存療法さえ実践できれば、早期のうちにほとんどの痛みは解消されるのです。手術療法が検討されるのは、保存療法では改善が認められなかった場合のみです。ところが日本では、制約的な問題から積極的な十分な保存療法がまだ実現できていないよう状況です。薬と簡単な運動療法のみで保存療法の存在すら知らされないまま、手術に向かわれる方も多いことでしょう。保存療法とは「生活全体」を指します。今回出版させていただく書籍が変形性股関節症という病態全体を捉える上で一冊の教科書、「患者教育」の一環としてお役立ていただけましたら幸いです。