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[大腿筋膜張筋] 股関節痛との関連

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[大腿筋膜張筋] 股関節痛との関連

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今話題の股関節唇損傷関連の痛みも、早期に適した保存療法を開始できれば、数回の施術で速やかに症状の改善が期待できるでしょう。また同じように、臼蓋形成不全や初期の変形性股関節症もそれほど回数を重ねなくても、痛みの軽減、その後の痛みの管理方法も習得いただけるでしょう。問題となりそうなのは、各種手術後であったり、先天性の脱臼、あるいは長く痛み止めを服用している場合です。

全体的な傾向として、その改善には長期に渡ることが多く継続的な関わりが必要です。突然、変形性股関節症と言い渡されても、あるいは臼蓋形成不全との診断を受けても、早い段階で、集中的に保存療法に取り組める環境さえ身近にあれば、その後の社会復帰、趣味活動の再開も夢ではありません。但し変形性股関節症に関する情報もよいものばかりではなく、悪くなる一方ののマイナスイメージも多く含まれています。それはネット上に溢れているかも知れません。精神的な落胆を進行させます。早ければ早い程、身体への負担を作らずに、満足のいく成果を導き出せるが保存療法の魅力です。

動き方から説明ができる

さて、変形性股関節症の予防に向けて、私が最も注目しているのは「姿勢・動作」それに関係する「筋肉の働き・バランス」です。

股関節専門の整形外科の先生方は、主に画像所見を主体に診断名、治療手段が決定されるので、あまりこうした診方はしないでしょう。私もこれまでの経験から股関節痛の発症と予防に関わる最も原因に近い領域であるとと確信しています。

例えば、股関節症の方では、決まって痛みをかばうような前傾姿勢、そこから抜け出せずに、太ももの外側の「大腿筋膜張筋」といわれる筋肉に負担を作っています。

大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)

▲//www.rad.washington.edu/
これが股関節症の発症の起源??とも捉えられるかも知れません。太もも外側にあるしこり状のポコッとした筋肉の膨らみは、股関節が日常生活動作において正常に作動していない現れでもあるでしょう。特に普段から運動に慣れ親しんでいる、あるいは、身体のメンテナンスを心掛けている方では、すでにお気付きかも知れません。

上記のような姿勢のまま、過度なエクササイズに励んだり無理な運動を重ねると、筋肉のしこりは徐々に強度を増し、やがてそれ自体が痛みはじめ、歩行時、踵を着いただけで鋭く痛むのです。階段をあがる、ストッキングを履くときの、脚を持ち上げる動作で、痛みを訴えるのです。

膝の痛みの原因

この角度を変えてみると、お尻の筋肉、大殿筋(だいでんきん)とちょどYの字のように交差して、膝へと繋がってます。

ですので大腿筋膜張筋も無理に酷使すると、お尻の筋肉にも影響が現れ、膝にも違和感を生じさせるリスクがあるということです。以前にも触れましたが、中と外、前と後ろ、均衡のとれた筋肉を獲得できれば、痛みも管理できているでしょうし、将来も安心ですね。一旦慣れ親しんだこれまでの姿勢を崩すのは、頭の切り替え、勇気も要ることでしょう。それでも、股関節痛の克服に向けては、避けては通れない道のりです。

軟骨のすり減りや骨の変形に代表される構造上の異常は、痛みの原因を説明するのに最も説得力があります。実はそうした現症が起こる以前からすでにその徴候が現れているように思われます。

原因と結果、これらを整理し理解できると、この病気も克服できます。

歩き方にも影響

▲Kato, Pain of Hip Osteoarthritis Physical Therapy 2006
上図のように大腿筋膜張筋とその働きの特徴をまとめた研究報告も非常に参考になります。歩行時における、変形性股関節症患者さんの筋肉の働きを示しています。大腿筋膜張筋、他の筋肉に比べ異常に活動しているのがわかります。

ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)



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