銀座は、外国人訪問客も一気に増え、コロナ前の活気に戻ったようです。目の前の松屋通りのハナミズキも一斉に咲き誇り、いい季節になりましたね。
さて、2018年に出版させていただいた書籍が11回目の増版を迎えました。これまでに多くの皆さまにお読みいただき誠にありがとうございます。
書籍の出版のお話しをいただいたとき、真っ先にお伝えしたいと思ったのは、股関節痛は「自分の力で治せる」ということです。ちょっとした方法論、リハビリの進め方さえ学べれば、before/afterでもご紹介の通り歩き方まで改善されます。皆さんのご自身で治そうとする日々の努力と想いこそ、痛みの解消に繋がるのです。
それと、もう一点お伝えしたいのは職域の確保、いわば「整形外科医」と「理学療法士」の棲み分けです。世界の変形性関節症学会では、お互いにその役割を尊重し合い、確実に成果を上げています。初期の段階では積極的に理学療法士を紹介し、難しい場合には、整形外科医が主体となって痛みの除去に乗り出して下さいます。これが、整形外科の窓口で全てを担おうとするので、おかしなことになってしまうのです。
私自身も年に数例ではありますが、やはり難しいケースを経験し、その際には、理解ある整形外科医に助けを求めます。同じように、リハビリに意欲がある方は、整形外科の先生方もご紹介して下さいます。
先日お越しくださった方も、片側の人工関節による手術を済まされた方です。
手術前からご相談をいただき、何とか未手術での改善を試みましたが、脚長差、筋力、可動域、主要な問題が解決されず、最終的には手術をご提案させていただきました。手術後は、痛みもなくなり順調に回復されていましたが、手術前の影響が未だ残るため現在も3~4ヶ月に1回リハビリに通って下さっています。
付箋がびっしりと貼られ、非常に勉強熱心でいらっしゃいます。これならば、もう片側の股関節は手術をしなくても済みそうです。
2018年に初めて本を出版させてから、少しずつではありますが、変形性股関節症にも手術以外の方法があることが広まり、また、こちらも少しずつですが、医師⇔患者さん⇔理学療法士による良好なネットワークが構築されつつあります。世界に目を向ければ、毎年新たなデータが集積され、効果的な痛みを取り除くための筋力トレーニングをはじめとした運動療法が提案されています。来年はオーストラリア・ウィーンで国際学会が開催されますので(2000年はコロナのために渡航中止)、私も出席し、ぜひ旬な話題を提供させていただきたいと思っております。
皆さんも日々努力、私も日々勉強です。お互い、がんばりましょう!引き続き、よろしくお願いいたします。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)