ブログ

[研究論文] 先天的臼蓋形成不全と後天的臼蓋形成不全

ブログ検索#大腿骨頭壊死症

[研究論文] 先天的臼蓋形成不全と後天的臼蓋形成不全

臼蓋形成不全には先天的な要因と後天的な要因があるといわれています。

ある研究報告では、

Patients with developmental hip dysplasia account for around 10% of
all primary hip arthroplasties, and around 30% in those under sixty.
Early detection and appropriate management can prevent or delay the   
requirement for total hip replacement.

10人に1人が先天的な要因で、3人に1人は後天的な要因と述べています。

となると一般的には15歳までに骨の成長がストップするといわれますから、幼少期から学童期にかけての生活が臼蓋形成不全の発生を抑えるためにも、とても重要になるわけです。

後天的臼蓋形成不全、骨盤の成長を妨げるには「インピンジメント」の抑制が必要です。インピンジメントとは、骨と骨の衝突を意味し、ある一定の運動方向でこうした病態の発生が疑われています。

例えば、下の写真は人工股関節挿入後のインピンジメントを表しています。
▲佐賀大学医学部整形外科教室
これは人工関節ではありますが、関節置換前ですと、関節唇や軟骨組織、あるいは骨同士の衝突により骨の成長を妨げる要因ともなりそうです。

実際に後天的な臼蓋形成不全者の生い立ちをうかがってみると、幼少期ら小児期にかけて(または現在でも)下の図のような座り方をしていた方が多くいらっしゃいます。

いわゆるトンビ座り、割り座と表現される座り姿勢で、これによりインピンジメントを避けられない運動パターンを学習してしまっている可能性も考えられます。また日本人には多くみられる内股歩きも臼蓋形成不全の発症のリスク因子とも考えられるでしょう。

臼蓋形成不全といわれる病態にもそれぞれ分類があり、元々出生児のトラブルにより生じた先天的な臼蓋形成不全であるのか。あるいは、幼少期の股関節の使い方により生じた後天的な臼蓋形成不全なのか。

その意味合いによっては、その後のケアの考え方も変わってきますので、ご自身が抱える臼蓋形成不全とがどちらに所属するのか、明確にしておくことも必要でしょう。

▲Benjamin Holroyd.(iii) Developmental dysplasia of the hip.Orthopaedics and Trauma Volume 23, Issue 3, June 2009, Pages 162-168
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)



最新記事






▼「ブログ」その他のコンテンツ
全カテゴリ 股関節の保存施術 施術事例 お知らせ メデイア プライベート
Copyright © 2004-2024 ginzaplus | 当サイトの全コンテンツは著作権法、関連条約・法律で保護されており、無断での複製・転載・転用を固く禁じます。| 利用規約 | 個人情報保護方針
Web System & Design by R-Crafz