さて今日は、大腿骨頭壊死についてです。
大腿骨頭壊死症もまた、痛みの原因を特定するのが困難な疾患です。
レントゲンやMRIなどの画像所見上は、確かに、大腿骨頭壊死症と思われる症状は呈していても、実際には、痛みがそこにないことがよくあります。
そもそも壊死がどのような過程を経て発症するのか。また、その治療法は?このあたりは未解決なことも多く、どんな方法で痛みが軽減されたとしても、決して不思議なことではないのでしょう。
ginzaplusのウェブサイトでもまとめております。ご参考になさって下さい。
大腿骨頭壊死症について:
https://ginzaplus.com/jp/symptoms/05/
先述の通り、痛みの発生過程も明確ではなく、また、治療方法も定まっていないため、必ずしも、初期治療が手術であるということではありません。診断を下されたのならば、じっくり、痛みの原因を観察していきましょう。
私は、大学病院時代にも大腿骨頭壊死症の患者さんを担当させていただきました。その当時の記憶が今も鮮明に残っているため、どうしても、ginzaplusへお越しいただく大腿骨頭壊死症と診断された皆さんには手術が必要ないのでは?と、思ってしまいます。
確かに痛みはあっても、銀座まで治療に行こうとする「筋力」と「気力」は感じられます。これだけの条件が揃っていれば、まだまだ活かせると思うのです。
問題なのは診断を受けた結果、怖くなって動かさなくなる「安静」による極端な体力の消耗です。これが、新たな病気を連れてきてしまい、回復を遅らせてしまうばかりか、もう当時に戻れなくなることさえあるので注意が必要です。
こちらの方へも、現状を詳細に説明し、今は手術は全く必要がないこと。手術を避けるためには、今の生活からの脱却が必要なこと。また、放置しておけば、やがて動けなくなり、手術に至る可能性が高いことをお話しし、施術がスタートしました。
そして、4ヶ月後です。
目標であった手術は回避され、お子さまの結婚式にも無事に参列できたようですね。
並大抵の努力ではなかったでしょう。歩けるとはいっても、杖がなくては身体を支えられないほどでしたから。ただ何より、股関節に明らかな病変がないこともあり、かなり無理ができると判断しました。
皆さんそれぞれに回復の力を持っていますが、ご自身が抱える症状を「どう頭で理解し」「行動に移せるか」で未来が変わります。自分の力を信じ、ぜひ、可能性にチャレンジしていただきたいと思っております。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)