[セカンドオピニオン] 膝の痛み 人工関節手術を決断
本当に手術が必要な症状なのか、どうなのか。ご本人だけでは判断が難しい場合もあることでしょう。医師の視点からの見解に合わせ理学療法士的な考え方にも触れておきましょう。残存機能を活かしながら、どこまで改善の見込みがあるのか。アドバイスをさせていただきます。
緊急を要していましたので、先日急遽時間外にお越しいただきました。お話しを伺えば、数年前の膝の痛みをきっかけに少しずつ股関節へも影響がきているようでした。実際のレントゲン画像を拝見すると、やはり進行が確認されました。医療機関では医師の勧めで来年早々に手術日が決まっているようでしたが、どうもご本人とご家族は納得のいかない様子です。実際に歩いていただいてもそこまでの症状ではありません。画像と臨床像が全く異なるのです。ご本人の希望は、お一人暮らし、身の回りのことができるのが目標。さて、本当に手術は必要なのでしょうか。
何歳になっても保存療法は有効です。あとはご本人の目標、希望次第です。現状からは遥かに離れた目標を掲げられてしまうと手術もやむを得ないですが、そうではない場合、今ある関節や筋肉を上手に使い、効率的に身体を操れるようになることで手術も回避できるでしょう。悪化する恐れがあるとすれば「不動の生活」に突入してしまうことではないでしょうか。痛みを恐れ回避し続ければ、やがて、日常生活を送れないまでに筋力低下が進行します。人の手に頼らなくてはならなくなるかも知れません。
そうならないためには、どうすべきか。手術か保存か。
ご本人の希望が一番優先されるべきではありますが、これからの生活を見据えご家族との4者面談が終了しました。ご自宅へお持ち帰りいただきじっくりご家族でご検討の上最終の判断を下していただきたいと思います。焦る必要はありません。
ginzaplusでもまだまだお元気な80代の方はいらっしゃっています。ぜひ望むようなスタイルでよくなっていただきたいですね。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)