先天的に股関節の不適合な状態を指します。
出産直後から完全に脱臼している場合もありますが、大部分は、生まれた時には不安定な関節が、徐々に脱臼へと移行することが多いとされいます。
最近の研究からはこの脱臼は「胎内中」に限らず、「出産後の乳児期」あるいは「幼少期」でも起こる可能性が高いことがわかってきています。このため、従来の「先天性股関節形成不全」という言葉を改め「発育性股関節形成不全」という用語が新たに用いられてきています。
その原因には諸説唱えられていますが、遺伝的要因、子宮内での胎児の異常肢位、妊娠末期での関節弛緩を促すホルモンの影響など、いまだ明確な回答は得られていません。
但し日本におけるその発生率が11月から2月、寒い時期に集中していることから、出産後に厚着をさせ、股関節の自由な運動を妨げることが、脱臼の発生に大きく影響をもたらしているようです。
現在ではおむつの替え方、抱っこの仕方など、脱臼予防のための指導が広く行き届くようになったお陰で、昔に比べ脱臼率も低く抑えられています。
幼少期における装具や手術経験、あるいはマッサージ通院の記憶があれば、臼蓋形成不全(寛骨臼形成不全)の存在が疑われます。
早ければ10〜20代、部活や立ち仕事、あるいは出産前後における股関節への過剰な負担が引き金となり、突如股関節痛を発症させることがあります。
小学校のときから体育は見学、遠足では脚が疲れ易い、跳び箱やマットは苦手、あぐらがしづらい、などの症状があれば、将来的には変形性股関節症予備軍とも捉えられるかも知れません。
変形性股関節症も防げる病です。
心当たりがあれば、手術を指摘される前に、できるだけ早めに適切な日常生活指導を受けておきましょう。
手術後
股関節の手術後でも、リハビリは大切です。
手術後の影響は何年も経ってから現れることがあるからです。加齢に伴う筋力低下と手術前の身体の使い方の影響が、症状の進行に拍車をかけます。特に、骨切り手術や関節鏡による手術、または最近では、再生医療による治療で一旦症状を悪化させてしまうと、人工関節による手術を迫られることがあるので、注意が必要です。
違和感 . . .
保存施術+ 手術を回避 手術後
【キアリ骨切り術後 15年】
昨日のブログでもご紹介した通り、骨切り手術をすると、経過年数と加齢に伴い人工関節のリスクが高まります。
骨切り手術後の長期成績:https://ginzaplus.com/jp/blog/1375/
ご相談いただいたのは、50代の女性です。
元々先天的な股関節脱臼を抱え、幼少期に右脚の骨切り手術を行っていま . . .
保存施術+ 手術を回避
変形性股関節症も、初期の段階であれば、全く手術の心配はありません。但し、症状が進行した末期ともなれば、ご本人の希望を尊重し、手術あるいは未手術の選択が迫られます。
ご相談いただいたいのは、70代の女性です。
幼少期から股関節にトラブルがあり体育は禁止、40代から徐々に脚長差が生じはじめ、医師の指示の下リハビリにも通いましたが、一向に改善されず、 . . .
先天性股関節脱臼の既往がある場合には、かなりの高い確率で将来的に変形性股関節症から手術の選択を迫られることが報告されています(股関節学会から)。
痛みそのものは、幼少期にすでに抱えている方もいらっしゃいますが、大人になって、ライフイベントが重なることで症状が現れることもあります。
今は少なくなりましたが、昔の写真を眺めながら小さい頃にギプス . . .
変形性股関節症を診断され10年以上も経過してくると、ご自身の痛みを上手にコントロールできるようになってきます。アクセルの踏みどころとブレーキ加減が絶妙であり、ご自身能力に合わせ無理せず、自制しながら、時折訪れる違和感や痛みにも適切に対処できる術が身に付いてきます。
こうした経験を積んでくると、診断された当初の絶望感や悲壮感はなくなり、病識を備え、 . . .
先週はブログをお休みさせていただきまして申し訳ございませんでした。本日から再開いたします。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
今日は「手術後の経過」について考えてみたいと思います。
研究論文を読んでみたり股関節学会にも参加し専門医の先生方の意見に聴講してみたり、私自身もこの場で実際の手術後の方たちに日々お会いしてきました。骨切り手術 . . .