2023年、昨年福岡で開催された股関節学会では、ある医療機関から、1442関節(再置換術106例含む)の手術を行い、合併症として手術後の脱臼が10例、手術中の骨折が15例、退院後転倒による再置換は1例、と報告され、手術後の成績としては良好であり、局所的な除痛や機能改善に有効であると報告されていました。
一方で、手術によって痛みを除去されたとはいえ、その後に抱える悩みもそれぞれです。
代表例としては、脚長差、それに伴う跛行の問題。他関節の違和感や痛み、新たなる反対側の股関節痛の出現からの複数回の手術です。
手術前の状態や趣味や仕事環境にも影響を与えるのが、可動域の問題です。
「可動域」とは、股関節の可動範囲のことを指し、これが、手術をしても、手術前よりもあまり変わらないことがあります。手術前の股関節の状態にもよりますが、技術的な問題や手術後のリハビリ内容にも大きく関与します。
手術を受けるにあたっては、ご自身がどのような将来像を描き、この手術に臨んでいるのか。そのあたりも明確に執刀医へとお伝えするのが無難でしょう。また、手術後担当して下さる病院理学療法士へも、その辺りを明確に伝えているかどうかで、リハビリ内容も変わってきます。
未手術の場合もそうですが、可動域はある程度の時間が経過してしまうと関節周囲がかたまり、それ以上動かせなくなることがあります。そうならないためにも、少しでも早く一歩を踏み出していただきたいです。
最後に、近年の人工関節は確かに有効な治療手段ではあっても、同じ年の股関節学会の報告では人工関節手術後の死亡例(60代、臼蓋形成不全)も報告されていました。手術後3日、リハビリ中での事故です。
ginzaplusでも、頻繁にご相談を受ける各種手術後のリスクについてまとめています。あまり学会や医療機関では問題視されることが少ないかもしれませんが、手術を受ける患者さまにとってはとても重要な情報だと考えています。知らなかった、がないようぜひご参考になさって下さい。
股関節の手術の種類、リスク、後遺症:
https://ginzaplus.com/jp/treatment/surgery/
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)