先日は福岡で朝日カルチャーセンター主催の勉強会が開催されました。今回もほぼ満席です。毎回多くの方にご参加いただきまして誠にありがとうございます。
マンツーマンの個別指導はもちろん大切ですが、こうした機会をもっと増やさなければといつも思っております。皆さんの真剣な眼差しと前のめりに聞き入る姿勢、独特な緊張感の中で、毎回楽しく講師を務めさせていただいております。
さて今日は「臼蓋形成不全は本当に進行するのか」、我々専門家にとってもそして皆さんにとっても最大のテーマではないでしょうか。
日本では臼蓋形成不全=変形性股関節症と決めつけられている感がありますが、世界では決してそんなことありません。昨年参加した変形性関節症の国際会議の中でも、臼蓋形成不全などの骨の形態異常は進行を助長する一要因ではあるけれども、それ以外に、骨密度、ホルモン、筋力、アライメントなど複数が関与し、変形性股関節症へ至る可能性があることが報告されています。また最近の研究論文でも、臼蓋形成不全にはいくつかのタイプがあることが分かり、通常のレントゲン写真では平面でしか確認できないため、本当の意味でのリスクを確認することが難しいとも述べられています。
臼蓋形成不全であっても進行するかしないのか、一番分かりやすいのは「歩き方」です。極端に内股であったり、外股であったり、また痛みの経過から跛行を続けていると、遅かれ早かれ変形性股関節症へと移行することが多くあります。下の動画をご覧頂きましょう。まだ軟骨も十分にあり骨の変形がない臼蓋形成不全保有者ですが、明らかな跛行が確認されます。
左右に大きく身体を揺すり、お尻が引けた姿勢で荷重を繰り返しているのが分かります。臼蓋形成不全に併せ、こうした歩きの特徴があれば、症状進行のリスクがあるでしょう。
変形性股関節症を促すのは、誤解や怖さです。
誤解や恐怖 → 股関節から外した荷重 → 筋力低下や可動域制限 → 軟骨の損傷と骨の変形 → 脚長差
医療機関で植え付けられた、もしくは偏った情報から恐怖心が芽生え、股関節でまともに荷重ができない状態が繰り返され、一連の負の連鎖を引き起こします。私が、各地で開催させていただいている勉強会が非常に大切だと感じるのは、この点です。股関節の痛みの管理において最も根幹ともいえる最重要課題について、直接アプローチができるからです。誤解を晴らし、正確な情報の元にこれまで通りの生活が送れるよう心がけましょう。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)