先週末は福岡で出張施術と朝日カルチャー主催の勉強会が開催されました。今回も満員御礼、山口や四国方面からもご参加いただきまして誠にありがとうございました。これまでの保存療法での経験を参加いただく皆さまとともにシェアさせていただくことで、今後も一緒に成長、学んでいきたいと考えております。来月12月には新宿と湘南、来年2月には再び新宿での開講が予定されております。ご興味のある方は、ぜひご活用下さい。
そして、週末には初のラジオのお仕事をさせていただきました。股関節の痛みに関してはもちろん、家族のこと、プライベートのことなど、色々とお話しをさせていただきました。お声をかけてくださったのは、なんと6年前にginzaplusへ通ってくださっていた方!久しぶりの再会、今はラジオのパーソナリティとしてもご活躍、素晴らしいでね。
さて、銀座も連日ご予約でいっぱいです。国内のみならず、海外からもご相談にみえます。担当の医師は「痛みをとるには手術しかない」「いずれ手術が待っている」と仰るようですが、私の見立てが悪いのかそれほど股関節の状態は悪くはないですし、まだまだ十分に使える股関節です。もちろん、手術を望めば話は別ですが、こんなことで直ぐに手術になってしまっては、世の中、手術だらけになってしまいます。
先日お越しくださった方は、全身のレントゲン画像をなんと10枚。また別の方はレントゲン画像に併せMRI、さらにはCTまで。手術もそうですが、検査も決して安価なものではありません。下記は、アメリカにおける平均的な検査費用です。
私がカナダに住んでいた頃、スキーで転倒し受診した際、請求されたのは924ドル。医師の診察とレントゲン一枚でこの金額です。保険に入っていなければ、到底まかなえる費用ではありません。日本はある意味恵まれているのかもしれません。検査も手術も他国と比べ比較的容易に受けられます。その分、手術に向かわれる機会も増えているかも知れません。
医療裁判も日常的なアメリカでは非常にシビアです。医師と患者が常に対等で公平な医療を実践できるよう至るところにメリット・デメリットが記されています。日本では、変形性股関節症に関われる職種が限られているため得られる情報も偏っています。ある患者さま向けの教育ビデオからの抜粋です。画像所見との因果関係、検査へのリスク、安静が害であること、など痛みと向き合う上で、知っておかなければならない基本的な情報が盛り込まれています。
「やってはならないこと」4つが指摘されています。上記の動画と合わせ、引用文献を参考に補足しています。
まず、1つ目は「検査を急がない」こと。
画像所見とは単に、正常との違いを映し出すに過ぎず、決して痛みの原因を表現するものではありません。検査結果から、かえって心配を煽り手術に至ってしまうケースが増えているといわれています。画像所見が必要とされるのは、感染症だったりがんの疑いがある、その他高熱、排泄障害などの兆候がある場合のみです。度重なる放射線を受けることによるがん発生のリスクも報告されます。
2つ目は、「安静」です。
数十年にも渡って、これまで医療者は痛みがあれば安静に、痛いことはやらないようにとアドバイスをしてきました。ところが、2010年のある論文を皮切りに、実は安静にすることは痛みを沈静化させるどころか、治癒を遅らせる危険性を示唆されはじめています。安静期間は長くても4日、それ以上は、治癒を遅らせると警告しています。
3つ目は「間違った薬の服用」。
当たり前のように処方される痛み止めも、服用の仕方を誤ると治りにくくさせます。変形性股関節症であれば、3ヶ月以上の服用は進行を助長すると報告されます。
最後4つ目は「不必要な手術」。
特に、日本の一般整形では、股関節の痛みにはすぐに手術が言い渡される傾向があります。しかしながら、痛みの要因は多種多様であり、手術だけではそれを補えないと報告しています。痛みがとれても歩き方が治らない、反対側まで手術に至るなど、心当たりがあるかも知れません。原因によっては、全てが手術だけでは解決されないことを述べています。
海外にまで目を向けると痛みに対する考え方は丸っ切り異なります。こうした情報の中から、ご自身の症状と希望にマッチした治療へと歩むべきでしょう。股関節痛に関していえば、直ぐにでも画像所見や手術が必要とされるケースは、極々少数。痛みを抱えるまでの経過と、その動き方、股関節の動かし方をきちんと診ることさえできれば、自ずと、痛みの原因は明らかになるものです。多少軟骨の隙間が狭くなっていても、大丈夫です。骨が多少普通の人と違っても、大丈夫です。そんなことだけで手術をしていたら、日本の医療がパンクしてしまいます。現在の診療に、治療方針に疑問があれば、ぜひ一度ginzaplusへもご相談下さい。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)