一般的に身近な「股関節痛」もスポーツ経験者にとっては「グロインペイン」のほうが、より馴染みが深いかも知れません。グロインペイン=鼠径部(そけいぶ)痛とは、
脚の付け根、股関節周囲に生じる痛みのことで、かつてサッカー元日本代表の中田英寿選手も悩まされたと新聞で読んでことがあります。原因不明とされた鼠径部周囲の痛み、グロインペインの範疇に、最近話題の股関節唇損傷も含まれます。
グロインペインと称される痛みの多くは手術が必要ではない、と説明されるのは浦和レッドダイヤモンズ専任医師の仁賀定雄先生。
▲Training Journal Jannuary 2005
2000年以降、ほとんど手術はせずに、保存療法だけで股関節痛を解決していらっしゃいます。では、何を、どうすれば、改善の可能性があるのでしょうか。
私の経験では、まず、アスリートレベルのスポーツ経験者、一般のスポーツ愛好家の皆さんへは股関節周囲への「(強めの)マッサージ」。それと股関節を中心に「動作」への介入を経て、一定の効果が確認できています。マッサージは加減が難しいですが、痛気持ちよい範囲で十分です。スポーツ競技特有の運動パターンや日常生活動作における所作までくまなくチェックし、問題となるような動きがあればその都度修正していきます。
(多少痛みが残っても)動ける準備が整えば、股関節の適合性を保てるような運動課題を症状に合わせ設定し、体幹を中心に上半身、下半身の筋肉に適切な刺激を与え、筋力強化を図っていきます。非常にシンプル。こうした過程の中で大抵の痛みは消失することでスポーツ復帰が可能となり、普通に生活が送れるようになります。もちろん例外もありますが、最近では不可能と考えられていた器質的に問題がある場合、「骨折」例であっても痛みの改善、運動機能の回復が確認できています。導入のタイミングさえ誤らなければ、有効な介入手段としてお勧めできます。
最後に、仁賀先生は下記のようにも述べていらっしゃいます。
▲Training Journal Jannuary 2005
私もこれまで数え切れない程のスポーツ経験者の股関節痛を拝見してきましたが、多少の痛みであればプレー続行"可"です。ところが、考え方の違いもあるのでしょうが、専門の先生によっては、全ての運動を取り上げてしまうことがあります。もともと運動経験がある方にとっては、運動をストップしてしまうことほどのマイナスはありません。失った筋力、可動域、さらに自信を取り戻すには相当な努力が必要です。原因不明の股関節痛、あるいは、股関節唇損傷を疑われ、何をやっても症状の改善が認められなければ早めにご相談下さい。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)