股関節痛に対する手術として、寛骨臼回転骨切り術(Rotational Acetabular Osteotomy)、通称:RAOがあります。臼蓋形成不全などの先天的、後天的な骨盤側の屋根の浅さを自分の骨を継ぎ足して補強する優れた手術といわれています。比較的若い世代20~30代の方、臼蓋形成不全があると分かれば、痛み治療の選択肢としてRAOを勧められる、もしくは、この術式に卓越した先生を紹介されることがあるかも知れません。今では改良も進み、技術力の向上に伴い、筋肉への負担の少ないAAOやCPOなども提案され実践されています。
しかし、こうした手術も医師によっては関節を一生もたせようとするのではなく、time saving的な考え、つまりは人工関節までのつなぎ、と考えている医師も少なくないようです。このあたりは、担当医師と綿密な打ち合わせを経て最終的な手術の判断を下すべきでしょう。
先日お越し下さった方のレントゲン画像です。
▲当時20代。 臼蓋形成不全、軽度の痛み。変形もなくきれいな股関節です。
▲RAOを施行し、霧がかかったようにぼんやりしています。修復過程のように思われますが骨嚢胞が生じています。
▲関節の隙間は消失し、左右の脚の太さにも差が現れはじめています。関節拘縮が進行した感じです。
RAOの経過や予後について以下の論文が参考になります。
「エビデンスからみた寛骨臼回転骨切り術の治療成績と手技の工夫」
岡野 骨・関節・靭帯 20 (5) 2007