[研究論文] 股関節唇損傷は保存的治療で改善する
私は、大学病院時代から、「外傷を除く、慢性的な整形疾患の痛みは、本来手術を必要としない」と教えられてきましたが、今話題の「関節唇損傷」も同様に考えています。

本当に股関節唇が痛みを出しているのかは、わざわざ複雑な身体に負担になるような高度な検査など行わなくても、その場で推測できます。股関節唇損傷に対する保存療法の成果が発表されています。某大学病院では、関節唇損傷との診断した患者さん数十名に保存的治療を施行しその治療効果を報告しています。ご紹介させていただきます。

【股関節唇損傷に対する保存的治療について】

目的:
股関節唇損傷に対して、手術的治療に関して数多く報告されているが、保存的療法についてはあまり検討されていない。今回、我々は問診、理学所見、画像所見などにより股関節唇損傷と診断した症例に対して保存療法を行い、その効果について検討したので報告する。

方法:
2008年以降、股関節唇損傷と診断した12歳~65歳までの29例31股につき検討した。保存療法を行い自覚症状が改善するまでの期間、他覚所見の消失、また股関節唇損傷に関連する要因として臼蓋形成不全の存在についても検討した。

結果:
保存的治療にて症状の改善がみられた症例は、31股中28股であった。症状の改善までに要した期間は、平均1.4カ月であった。臼蓋形成不全は、6股であった。


結論:
股関節唇損傷に対して、保存的治療は有効的であると思われた。

参考:
第37回日本股関節学会学術集会抄録から抜粋

短期間にこれだけの成果を上げている保存療法は今後もっと注目されるべきです。あくまでも個人の感想ですが、メスを入れずに症状が改善してきた方たちをこれまでも多く拝見してきています。内視鏡術そのものを否定するというわけではなく、その後の実際の状況を間近でみているからこそ伝えなければと思っています。

ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)
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