変形性股関節症の原因の多くは、
①普段の姿勢や歩行に問題が生じることで(=荷重位における股関節内運動)
↓
②股関節機能の破綻を招き、
↓
③股関節の痛みや
日常生活動作(立ち上がり、衣服の着脱等)に不具合を生じQOLの低下をもたらす、
と考えています。
こうした一連の進行過程も、黙ってて勝手に起こるものではなく、皆さんが知らず知らずのうちに構築していることもあるので注意が必要です。
例えば、
▲Magee:Orthopedic Physical Assessment.5th. Saunders.2008
上記の図のように、進行期や末期と診断される方たちの中には、ご覧のような姿勢で生活されている方も多くいらっしゃいます。こうしたことは無意識に繰り返されるので、ご存知ないかとも思いますが、痛みをかばう姿勢が習慣化してしまうのです。
骨盤の歪みが伴うこうした姿勢が、数年、何十年と続くのですから身体内でも異常活動が起きるのも無理もありません。
長年の姿勢の影響は、やがて、レントゲン画像にも反映されます。
下の図をご覧下さい。例えば、日本人に多いとされる臼蓋形成不全の場合、
▲鳥飼:関節症と関連疾患.標準整形外科学第9版.医学書院 2007
上記のような骨盤の歪みが生じることで、屋根である骨盤が斜めに傾きはじめ、股関節そのものの接触面が不安定に陥ります。それに合わせるように大腿骨の骨頭は球形から楕円形と変貌を遂げ、亜脱臼を呈するように動いてきます。
ただし、こうした時期においても自覚的症状は少なく、年単位で、取り返しのつかない事態へと着実に進行を果たすのです。
ですので、前駆症状としての「股関節の違和感や痛み」「動かしにくさ、可動域の問題」「脚の長さのこと、脚長差」「歩き方」については、安易に考えず、問題の本質を見抜き正しく対応をしておきたいところです。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)