「股関節痛」と一言にいってもその範囲は実に広域に及びます。痛む場所によっては、治療方法も異なるため、私たち患者さん側も慎重な対応、適切な治療方法の選択が求められます。
レントゲンだけでみれば、基本的に骨しか映りませんので、骨の原因だと勘違いしてしまいそうです。
しかし実際にはこれだけ多くの筋肉が取り巻き、これらが少なからず痛みの原因に関与しているのは間違いありません。
あるとき、骨には影響がなく、いわば筋肉の痛みにより股関節痛を抱え方を、整形外科では「原因不明の股関節症」と診断された先生がいらっしゃいました。
こうした症状に対し「筋肉」に注目した興味深い研究発表がありましたのでご紹介いたします。
こちらの病院では、股関節まわりの痛みを訴えた103例に対しMRI撮影を行うことで、痛む場所に一致して健常者とは異なる筋肉の異常所見が認められたと報告しています。
林 : 原因不明の股関節痛、周辺痛患者のMRI所見について
こうした鑑別診断が日常的に考慮されるようになれば、メスを入れなくても症状が解決される方が確実に増えてくるでしょう。それよりも何よりも、患者さんの訴えをよくヒアリングし痛む箇所の触診さえしっかり行われていれば、ここまで大がかり検査をしなくても良さそうです。
原因不明、原因がわからないのが一番不安になるものです。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)