普段の姿勢や歩き方も、筋肉への負担となれば痛みとなって現れます。
負担になったとしても、それに勝る筋力でカバーができれば、痛みとなって現れることもないでしょう。しかし「持続的な姿勢」や「同じ運動の繰り返し」は筋肉にとっては大きな負担とり、痛みをもたらすことがあるようです。
今日は姿勢、特にバランスのとり方にについて考えてみたいと思います。前にあるものを取ろうとしたときを想像して下さい。
自然と重心が前方へ移動し、身体全体が前傾します。そしてそれ以上前に倒れないように無意識の内に下肢全体の筋肉が働き始めます。誰にでも備わった自然な反応です。
重心の位置が比較的前にある人は、常にこのような筋肉の緊張がみられる傾向があるということです。
先日みえたのはクラッシック・バレエ(Ballet)の先生でした。
太ももの裏の痛みを訴えておりました。
一番痛みが強く出るのは、上の写真のような開脚してからの前屈するストレッチのときです。
いくつかの病院にも行きましたが「坐骨神経痛」との診断で、治療を受けても満足した結果が得られませんでした。立っている姿勢、歩いている姿勢を観察すると、
重心の位置が常に前方へ位置することがわかりました。ご本人は気が付かれていません。
▲木藤:足底感覚と運動器疾患 理学療法23巻9号2006より一部改変
このような姿勢では、重心が前方へ行くとそれに拮抗するかのように身体の裏の筋肉が働きはじめ、強い緊張を生むことがあります。そして、こうした関係で長時間同じ姿勢を維持したり、激しい運動を繰り返すと、緊張した筋肉をさらに緊張させ、筋肉が硬くなって現れます。
その結果、写真のようなストレッチをすると、脚の後面が延ばされることで痛みを伴うようになったのでしょう。
本来とは異なる収縮の仕方を要求されることで、こうしたトラブルにもなります。ご自身の重心の位置。今一度、確認しておきましょう。
佐藤正裕(理学療法士)