私は大学病院時代には、様々な痛みの治療に携わってまいりました。
理学療法士の専門知識を駆使すれば太刀打ちできるような痛みとそうでない痛み。ペインクリニックでも改善が難しいケース。がん性疼痛のように、理学療法士の知識や技術云々よりも、チームの一員として"人としての関わり方"を第一優先に求められる場面にも遭遇します。
では、ここで専門に拝見する股関節痛の正体とは、いったい何のでしょうか。
先日の股関節学会に参加した際も、セッション毎に様々な痛みの要因が論議されていました。最近話題の関節唇だったり従来通り、軟骨のすり減りによる影響などなど。
特に興味深かったのは、数名のドクターが、
「筋肉の緊張度、張り具合」に注目していたことです。
要は、神経の通うところでは、どこでも痛みを感じる可能性があるということだと思うのです。私が股関節症の方を拝見していて一番気にしているのは、そうした股関節関節周囲に散在する神経を刺激するような、"独特な股関節の使い方"を皆さんが有しているということです。
痛みの所在を論議し、それに見合った治療法を考案することももちろん重要ですが、予防や回復に向けてのトレーニングいった観点から、その痛みが引き起こされる「根本要因」にも注目する必要があります。
加齢と伴に筋力は落ち、関節はかたくなるものです。これはどうしても避けられません。だからこそ今、身体の使い方の"質の向上"を目指すことも大切です。それぞれの状態に合わせた正しい股関節の使い方を脳と身体に再び覚えてもらい、少ない筋肉の量であっても、しっかり身体を支え、動いていける身体作りを目指していきたいですね。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)