変形性股関節症を診断された方の歩き方を分析したり皆さんの筋肉を触診していくと、改めて動きと筋肉の働きが連動しているのがよくわかります。
例えば、以前にもご紹介したかと思いますが、下のグラフは筋肉の活動の程度を表したグラフです。変形性股関節症患者さんと健常者とを比較しているのですが、働いている筋肉がまるで異なるのがお分かりいただけるでしょうか。
▲Kato. Pain of Hip Osteoarthritis Physical Therapy 2006
股関節症の方では歩きの中で常に中段にある「大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)」とといわれる筋肉が過剰に働き続けているのです。大きな波形が出ていますね。
この筋肉は股関節から太ももの外側、さらに膝にかけてくっついている筋肉ですので、このエリアで痛みを発生させます。ですので、股関節症なのに「膝が痛い」が起こるわけです。
本来働くべき筋肉が働けない、働かなくてもよい筋肉が過剰に働いてしまう。そうした不安定な環境が関節内へも及び、軟骨のすり減りや骨の変形など一連の関節症特有の症状をもたらすようになると考えています。
対策として、こうした筋肉の緊張を緩めつつ、同時に、本来使うべき筋肉に刺激を入れ新たに学習してもらうことが必要でしょう。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)