アメリカのワシントン大学の理学療法士であるShirly A.Sahrmannは股関節症の病態を以下のようにまとめています。
「運動を複数の構成要素からなるシステムとしてとらえ、その構成要素の問題が、特定方向への運動を起こし、システム全体として影響を受け、運動の異常が生じるのである。」
ちょっと難しい表現もみられますが、要は、関節にはそれぞれに動かせる運動方向は決まっており、それに従って動かしていれば痛みが生じることもないのでしょうが、ここの問題が生じるのが、変形性股関節症の皆さんの特徴です。
例えば、わかりやすい例では、歩行時の股関節の伸展です。
股関節を伸ばす。前腿をしっかり残す、この運動のことです。
股関節は曲げるだけではなく、伸ばす機能もちゃんと持っているはずも、これは日頃意識しないとできない運動です。
そもそも股関節を伸ばす機会とは、寝るときと、立っているとき、歩くとき以外ないでしょう。
しかも重要なことは、足の裏が地面に着き、体重を乗せて伸ばせているのか、どうか...。
股関節症の皆さんは、この伸ばす運動が非常に苦手です。そのために、お尻を引いたり、肩を揺らしてその苦手動作の克服を企てるわけです(代償動作)。
股関節が本来持ち合わせる「股関節を伸ばす」というシステムの異常を来さぬよう、今できることから注意し、痛みを作らない身体環境を作りましょう。
佐藤正裕(理学療法士)