股関節の痛みを拝見していくと、保存療法で対応できそうな痛みとそうでない痛みが存在します。
まずは、関節周囲で起こる痛みでも、「筋肉由来」のものと「関節内の強い炎症」による痛みとの違いが存在します。どちらも同じように股関節の痛みを訴えるのですが、痛みの表現の仕方、強度が全く異なるようです。
筋肉の痛みなら私のところでも対応が可能です。しかし、関節内の炎症ともなれば少し様子をみなくてはなりません。そのあたりの判断は、画像所見だけでは難しいため、問診を通じてしっかり見極める必要が大切です。
そして、もうひとつの痛みは「心の痛み」です。ひと言でいえば、ストレスです。
ほとんど骨には問題もなく普通に歩ける、だけれどもものすごい強い痛みを訴えます。よくよくお話しを伺えば、職場のこと、ご家族のこと、ペットのお世話、親御さんの介護など、心身共に疲労困憊です。逃げ場がないのです。
確かに痛みを訴えるのは股関節周囲ではあるのですが、痛みの存在を理由に食事・睡眠・運動(通勤)、生命維持に欠かせない三本柱が失われたケースです。
ご覧のように股関節痛とはいっても、その所在により関わり方が変わってきます。ご自身が訴える痛みが、果たしてどこに存在するのか。今一度、確認しておきましょう。
佐藤正裕(理学療法士)