身体の深いところにある筋肉はどうやってストレッチすべきか。
例えば、腸腰筋。自分では触れることすら難しい筋肉ですね。
ただ、筋肉と神経の性質を利用するとこれらの筋肉も楽にストレッチができるようになってきます。まずは、筋肉の性質をしっかり理解しておきましょう。
筋肉は常にペアになっています。例えば、腕を曲げる動作のときは、曲げる筋肉が緊張(収縮)し、反対側の筋肉がリラックス(弛緩)するように働きます。無意識的に行われる身体の反応です。
この反応を普段の生活にも取り入れてあげれば、先ほどの身体の奥深くにある筋肉もストレッチすることが可能になるでしょう。
このような神経の働きを引き出し、ストレッチできる場面を日常生活の中でいかに多く作るかが、痛みを作らないためのマネージメントととして必要なことなのです。
腸骨筋や大腰筋は確かに姿勢保持に活躍する筋肉ですが、これらの筋肉が縮んでくると骨盤を前傾させ、股関節を屈曲させた状態で姿勢を保とうとします。股関節痛を抱えた方に多い姿勢スタイルですね。
それに対して、腸骨筋や大腰筋と相反する作用をする筋肉、つまり股関節を伸ばす筋肉をしっかりはたらかすことができれば、腸骨筋や大腰筋が緩むチャンスが生まれるのです。皆さんの姿勢や歩き方をこまめにチェックするのは、ストレッチ効果を効率良く引き出すためでもあるのです。
筋肉の問題ではあるのですが、神経の作用も上手に利用できるとその効果を更に引き出すことができます。
動きの中でのストレッチこそが最も有効、持続効果が高いのです。
佐藤正裕(理学療法士)