最近「ロコモティブシンドローム」のことがテレビで触れられる機会が増えましたね。先日もNHKで取り上げられていました。その中で、ある都内の整形外科のドクターが痛みについてこのように説明させていました。
「痛みは症状として現われるけど、実はその背景にはバランスの問題があるんです。」
痛みが起こるひとつ前を診ています。
痛みについては皆さん敏感ですが、痛みが起こるその前には、実はバランスの問題が潜んでいるのです。意外と馴染がないかも知れません。
「傾いて立っていても、傾いていると感じていない」
「肩を振って歩いていても、まっすぐだと思っている」
他人に指摘されて、ハッとして気が付く。
これこそ介入すべき課題ではないでしょうか。お一人ご紹介させていただきます。現在70代、関西在住です。10年以上前から痛みを感じていたのですが、積極的な治療を行わずいました。今年5月頃、はじめてこちらにお越しいただきました。痛みが強く、杖をついて歩いてみえました。
初回時の様子です。痛みのある右脚で片足立ちをしていただきました。
痛みのため、恐々真っ直ぐに立てません。
少しずつ慣れてきましたが、右へ傾いてきています。
施術後です。安定感を取り戻しています。
バランスの問題が改善されてくると、痛みは軽減してきます。「手術は避けたい」との希望があり、現在も定期的にお越しいただいております。
先月の股関節学会でも感じたのは、実際の現場では理学療法士が普段目にする、バランスや姿勢、歩行などの問題に注目して治療を進めていることです。こういった流れは、私達にとってはドクターとの関わりを持ちやすくなりますし、皆さんにとっても負担の少ない、納得のいく治療が選択できることにも繋がるでしょう。
少しずつ変わり始めています。痛みの背景を深く分析できると、単に手術をすればよい問題でもないことがよく理解できるでしょう。
佐藤正裕(理学療法士)