[股関節学会] 人工股関節手術後の脚長差
[股関節学会] 人工股関節手術後の脚長差
今年の股関節学会でも、人工股関節挿入後の「脚長差」ついては話題になりました。確認できただけでも9題の演題発表があり、手術前後のリハビリを実施する上でも非常に参考になりました。





その中でも特に興味をもったのは、以下の3題です。

1つ目は「人工股関節全置換術を行った対側股関節の経過観察」について。片側を手術すると反対側も手術に移行しやすい、との報告がさていますが、その多くが臼蓋形成不全を有した例であり、初期では約7年。進行期では1~3年で。そして、末期では8ヶ月という短期間に人工関節に至ってしまうとの結果です。

そしてもうひとつは「人工股関節全治感受後における反対側の前・初期股関節症が病期進行する因子の検討」について。こちらの研究では、片側の手術の後、反対側が初期なら約2割が平均9.8年で股関節症に進行すると報告されていました。

いずれも原因は「年齢」と「脚長差」の存在であり、具体的には、70歳以降で片側を手術し、脚長差が生じた場合にはリスクが高まるとのことです。

そして、最後の「初回片側THA施行後の対側股関節の変性進行に関する後ろ向き研究」においては、医師自らが「脚長差が生じないように初回の手術は慎重に」と問題提起をされていました。

どこの医療機関がより慎重に脚長差の問題に取り組んでいるのかは、こうして学術集会に参加すると理解できるようになります。

手術後に生じてしまった脚長差は、反対側の健康な股関節にまで影響を及ぼす可能性があるため、再手術に至らない(=医療費の削減)ためにも、手術後もきちんとリハビリを継続していただきたいと思っております。

ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)
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