股関節周囲の筋力が低下してくると、痛みを発症させるリスクが高まります。
キーとなってくるのは、股関節の骨よりも「筋肉」。
関節のそばには6つのインナーマッスルが付着し、外側には大殿筋を主体としたいくつものアウターマッスルが存在します。
おしりの奥のインナーマッスルが働かなくなると、股関節があるべき場所におさまらなくなり、次第にズレが生じます。その結果、関節内・外の組織に負担をかけるようになるのです。
内部のトラブルの代表例が、股関節唇損傷や軟骨の損傷とすり減り、骨の変形。
外部でのトラブルの代表的な症状は、太もも前の大腿直筋(だいたいちょっきん)の張りやコリ。おしりの外側にある中殿筋のだるさや痛み。また、太もも外の大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)の痛み。主には筋肉の痛みです。
長く、変形性股関節症患者さんの痛みの推移を観察してくると、痛みが生じる【以前から】筋力低下を抱えていることがわかります。最近では、10代や20代で股関節痛を訴える方も多く、コロナ禍の外出規制や猛暑による運動不足、また、便利になった世の中故に脚の筋肉を使う機会がさえ失われているためと推測されます。
下の図は、50代の変形性股関節症患者さんのMRI画像です。
赤線で囲った部分がおしりの筋肉です。外側の白いところは脂肪です。
注目していただきたいのは、向かって左側のおしりの筋肉の赤枠部分が小さくなってきていることです。その分、脂肪が増えています。それと併せ、筋肉の中に白い繊維状の組織が侵入してきているのがおわかりでしょうか。
先日のNHKの放送をご覧になられた方はお気付きかと思いますが、これが、いわゆる、筋肉の"霜降り化"です。牛肉で例えるならば、上質な赤身肉だったはずが、脂の多いサーロインに生まれ変わっています。
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https://www.nhk.jp/p/torisetsu-show/ts/J6MX7VP885/blog/bl/pnR8azdZNB/bp/pELRvjgqAw/
番組で解説された京都大学の先生も仰っていましたが、「筋肉の内部に脂肪がたまると、痛みの発現、変形性関節症のリスクになります」。
股関節症患者さんの筋肉の様子をMRI画像をもとに研究していると、進行例では、脂肪組織の浸潤、霜降り化が加速し、立ち上がりや歩きなど、身体を支える力さえも発揮できなくなります。
おしりの筋肉の霜降り化を防ぐ
言うまでもなく、我々の身体は食べたものから成り立っています。ですので、バランスのよい食事は上質な筋肉を保つ上でも大切です。尚且つ、適切な刺激を与え続けないと、筋肉の中身もなくなってしまいます。基本ルールに従いながら、一生自分の脚で歩ける筋肉を育んでいきたいですね。
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ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)