レントゲン画像の重症度と痛みの程度が、必ずしも、一致しないことが多くあります。長引く痛みにも、痛みの原因を幅広く検証し、最終的な治療の手段を導き出す構えが必要です。
ご相談いただいのは、80代の女性です。医療機関では右股関節の変形性股関節症末期と診断され、手術を勧められています。
痛みを訴えるようになったのは、2年前です。日本舞踊でご活躍され、ご自身でも稽古に励んでいらっしゃいます。徐々に歩くのも困難になり、お仕事・趣味活動の移動に支障をきたしています。途中休まずには20分歩くのも困難な状態です。
ご友人の勧めで手術も検討していますが、脱臼や寿命のことを考えると躊躇してしまいます。ただ、歩けなくなってからでは遅い、筋力がある今のうちがチャンスとも思い、セカンドオピニオンを求め、お越しいただきました。
保存施術を開始し計5回、約半年での成果です。
痛みがある右側には体重が乗せられず、左に傾くような小刻みな歩き方も、半年の施術後にはしっかりとした足取りで、真っ直ぐに歩けるようになっています。
レントゲン画像上は、確かに、医学的には手術適応ではありますが、保存施術を経て痛みが解消され、再びお仕事や趣味活動にも専念できるようになれば、今すぐに手術を考える必要もないでしょう。
加齢に伴う構造上の変化(軟骨のすり減り、骨の変形など)も、positiveに受け入れられるかどうかで治療選択も分かれます。持ち前の明るさと、日頃、日本舞踊で鍛えられた筋力のおかげでもあります。
変形性股関節症も末期まで辿り着くと手術しか方法がないようにも思われますが、前向きな気持ちとご自身の残存機能を活かそうとする日々の意識やトレーニングの仕方次第で、こうした未手術の可能性も残されているのです。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)