さて、今日は手術後の痛みについて。手術をすれば基本的には痛みがなくなるとはいえ、"心の痛み"が残ってしまうこともあります。手術後の後遺症、といってしまえばそれまでですが、実際にお会いすると、歩けるし、動けるし、身体の不具合はないように思われがちですが、だけど、痛みの存在を強く訴えるのです。
こうしたケースでも、痛みの階層に合わせ心理的に受容し、向き合うことができれば克服できそうですが、何らかのトラブルにより、うまくコントロールできていないように思われます。手術自体は成功しているのですから、もう一度、股関節の手術とはどういう意味があった手術だったのか。そして、そのリスクやその後の方針など、本来なら手術前、または執刀医から説明が十分になされていなければならない項目ですが、こうしたことも改めて確認していく必要があるでしょう。
海外では術後の痛みを問題視する傾向があり、熱心に取り組んでいる病院では「手術前スクリーニング」を取り入れています。手術を受ける前に、患者さんの心の健康状態をチェックする試みです。手術に対して患者さんが、不安や心配があれば、医療者は付き添い、精神的なわだかまりがない状態で、手術に臨めるよう心の準備を整えます。
手術による術創の痛みはやがて消失します。問題となるのは、将来への不安、心配です。心理的なストレスを取り去り、運動療法に真剣に取り組める環境を整えていきたいと思っております。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)