「保存療法」
日本では、診療報酬の観点からも、医学的エビデンスが高いとはいえ十分に実践されておらず、エキスパートにお会いすることは難しいでしょう。その点、海外では病院単位、国単位で取り組んでいることもあり、情報が豊富です。
さて、私の中ではこんな風に症状の改善とアプローチの手段を考えています。名付けて「保存療法のレール」
患者教育(やって良いこと、ダメなこと) → 痛みの除去、体操 → 日常生活動作 → スポーツ、趣味活動 → 自立
ご自身の状況を説明しながら、少しずつ受け身から自発的な運動へと転換してゆく。それも、まずは基本的な体操で基礎作りをして、それを日常生活動作で表現して、さらには、より複雑な運動でも応用できるか、どうか。最終段階にもなると、からだの身体的な変化以上に、精神面の改善が手にとるようにわかるようになっていきます。単に改善ではなく、まさに「進化」です。
最初の頃は皆さんと同じように「本当に動いて良いの?」「歩いていいの?」「これ、やっていいの?」「やっちゃダメなの?」、と質問攻めでしたが、施術の回数を重ね、痛みが和らぎ、少しずつ動けるようになってくると、いつの間にか、当時できなかった苦手動作も自発的にこなせるようになってきます。
困難を克服した最終のステージにも差し掛かると、表情もガラリと変わり、当時とはまるで別人ですね。症状というよりかは、その人の性格、哲学、これまでの生き方など全てが反映される保存療法の世界。
回復までの時間には個人差はありますが、とにかく現実を素直に受け入れ、前向きに取り組んでいく姿勢で望めるかどうか、ここが分岐点になるかと思われます。まずは脱線することなく「保存療法のレールに」に正しく乗れるように。今、自分がどの位置にいるのかを確認しておきましょう。飛級はないですよ、一段ずつ確実に。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)