これだけ多くの方が痛みに悩んでいるのに、今まで歩行に対する意識が向けられなかったことが大きな原因であるといっても過言ではないでしょう。
病院、その他の医療機関、町の治療院でも痛むその箇所に対する治療は十分に施されているようですが、その後の生活の仕方や動きまで診てくれるところは少ないのではないでしょうか。
変形性股関節症という病態を考えると、突発的に発症するものではなく、長い年月をかけて緩やかに進展してきます。その経過の中で、姿勢や歩き方を変え、本格的な痛みを訴えるようになってきます。だからこそ、その痛みだけに囚われることなく、その経過の中で作られた姿勢や歩行にも目を向ける必要があると思うのです。
ここにお越し下さる方も、良いものをお持ちなのにそれを上手く引き出せないで痛みを抱えている方が非常に多いです。筋力も可動域も十分に持ち合わせているのに、いざ歩こうとすると痛みに邪魔されそれらを上手く使えていないのです。
その結果、ただただ安定性だけを求めて歩くようになるので、足を内股にしたり、つま先から歩いたりすることで、跛行が目立つようになります。
「個性を引き伸ばす」
その方の持っている能力をさらに引き伸ばすためには、歩き方にも修正を加えていくことは必要です。今よりももっと上を目指しているからこそ、追求していく必要があると思っています。内股歩きだから、外股歩きにする。つま先歩きだから、かかと歩きにする。というような短絡的な考えではなく、歩くいう動作の根底にある筋肉の働きを引き出すことから始めなければならないのです。自分の持っている能力を最大限に引き出すためにも、歩き方を見直してみましょう。
佐藤正裕(理学療法士)
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