股関節治療の落とし穴
股関節の痛みに対して手術をしない治療法のことを「保存療法」といいます。温存療法ともよばれることもあります。

その中身をみると、
・筋肉トレーニング
・水泳、水中歩行
・ストレッチ
・体重減量(ダイエット)
・杖の使用
・消炎鎮痛剤の投与
・日常生活の管理(ヒールの高い靴は履かない、重いものを持たない)
・歩行の制限
などが一般的ではないでしょうか。

個々の問題点に合わせたプログラムが実施されることが望ましいのですが、いかがでしょうか。私が重要だと考えているのは、今の状態を維持するというよりもむしろ今の状態からの改善です。つまり、関節にかかる負担をできるだけ軽減し、効率的に筋肉を働かすことができる運動を積極的に取り入れるということです。この要求を満たしてくれる運動のひとつに歩行があります。

最も安全な方法だと思っています。ただし、ここには条件があってただ歩くではなく「どう歩くか」ということを考えなくてはなりません。ただ歩くだけでは、関節に負担になります。歩数や時間ではなく、大切なのはその質です。その人に合った正しい歩き方。歩数や時間をかけることで、痛みを生じるようになってきていることは、もう分かっているのですから、その質的要素、どうのように歩いたら痛みを減らすことができるか。さらに筋力をつけるにはどのあたりを意識しなければならないのかを一緒に考えなくてはなりません。

たとえ跛行があり重々しくみえても、月単位、もしくは年単位で歩き方が変化してきているのですから、少しずつ身体の変化をみながら、その人に合った正しい歩行へ修正していくことは必要です。

「どう歩くか」

保存療法において、決定的に抜け落ちている考え方でしょう。手術を否定しているわけではないですし、必要としている人がいる限り、整形外科の腕の良い先生にかかり、患者さんの満足が得られれば幸せなことだと思っています。それと同時に、最後まで自分の脚でしっかり歩けるような人たちのサポートを行っていくことも大切だと思うんです。

「あのときしっかりやっておけば…」とは思いたくないですからね。誰でも筋力は衰えます。その歩き方ひとつでその衰えるスピードを遅らせることはできます。今からの意識の変容がその後の結果は大きく左右するはずです。


≪ひと言≫
この数日、多くの方からのメールやお電話、そしてブログへのコメントを
通じて、皆さまの「歩行」への意識の高さを改めて実感しております。
痛みに対して歩き方から見直すという考え方は、他にはないでしょう。
実際の痛みの変化と科学的に立証されている研究報告を擦り合わせることで、関節痛に対する新たな理論が確立できるかも知れません。
また、保存療法の選択肢が増えることになれば、
他にも痛みに苦しんでいる方を救うことができるかも知れません。
これからもここから発信するメッセージが皆様の心に上手く伝わることを
願っております。こうして皆さんと同じ気持ちに立って、
それぞれの目標に向かい合えることを嬉しく思っています。
来月の歩行教室では、
皆さんそれぞれの悩みを解決できるように準備を進めております。
楽しみにしていてください!!

佐藤正裕(理学療法士)
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