一般的に、変形性股関節症は進行するといわれています。ドクター、理学療法士にとって定番の教科書「標準 整形外科学」にもこのように書かれてあります。しかし、ここでみている限り明らかにそうではないようです。
股関節に限らず、骨・関節疾患の病態を診る上で大切なのはバランスです。
1 関節周囲の筋肉、股関節、骨盤周りの筋肉の緊張が安定していること。
2 それらの筋肉を動きや運動の中でバランスよく使えること。
この2点が満たされていれば、関節に対する負担は軽減できると考えています。つまり、進行は止められるのです。しかし、筋肉のバランスを崩した中での、誤った使い方は危険です。ストップをかける必要があります。科学的にはこのようにも説明されています。
ある文献報告では、
股関節周囲の筋肉のバランスを崩し、偏った使い方をしてしまうと、股関節面への単位面積当たりの力が増し、それが結果的に軟骨をすり減らし、骨へと影響を与えるといわれています。このような事実から、筋肉の緊張、動きの中でのその働きを注意してみていくことは「進行させない」ためにも重要な考え方ではないでしょうか。
実際の施術場面で、表在の筋肉の余計な緊張を落とし、最も働くべきインナーマッスルにその働きを促し、そして、歩行という一連の運動の中でほぐした筋肉に働いてもらう。これはすべて、股関節、骨盤周りの筋肉にバランスを取り戻すためです。つまりは「進行させない」ためなのです。
佐藤正裕(理学療法士)