股関節鏡視下手術は、当初は膝や肩などで頻繁に用いられていた手法ですが、医療機器の開発もあり、現在では股関節にも応用されるようになりました。 2003年にアメリカの整形外科医師GanzらによってFAI(Femoroacetabular Impingement)という概念が提唱されることで、股関節鏡視下手術が日本でも一気に広がりをみせました。
この時期に「臼蓋形成不全に伴う股関節唇損傷も股関節鏡で治療すれば、変形性股関節症の予防に繋がる」との考えが普及したため、当時は医療機関では「股関節唇損傷(疑い)」と診断され、手術を勧められた患者様も多かったのではないでしょうか。
実際、2010年以降はこの手法による手術件数が急速に増え、同時に、ginzaplusへの手術後のリハビリ依頼も急増しました。 その後は、股関節鏡視下手術が有効な症例もあれば、逆に悪くなる例もあることがわかってきて、現在では特殊な例を除き、手術件数は減少傾向にあります。
実際の手術では全身麻酔、仰向けで行います。 股関節の隙間を確保するように両下肢を牽引し、股関節の外側に小さい穴を数カ所作り、内視鏡を入れ、損傷部位を切除または縫合する手術が股関節鏡によって行われます。
医療機関や術者によっては、腸骨や腸脛靭帯を移植したり、FAIに対しては大腿骨や骨盤側の骨を削るなど、様々な手法が用いられます。 手術後は、股関節唇損傷用のリハビリ実施計画が病院毎に用意され、それらを基本に理学療法士によるリハビリが行われます。
損傷部位が治癒されるのに要する期間はおおよそ3ヶ月といわれていますので、痛みに配慮し、損傷部位にストレスがかからないよう運動課題が設定されます。 痛みの程度に合わせ徐々に活動度を上げていきながら、アスリートでは3〜8ヶ月、一般の方では、半年での完治を目指します。
内視鏡と聞くと、安全で負担の少ないとのイメージもあるかもしれませんが、実際には、骨切り手術と同じくらいリハビリに苦労されている方がいらっしゃいます。 これまでにも独特な手術肢位から神経損傷や陰部擦傷が報告されており、実際にginzaplusにも、手術後の痛みの影響で移動能力にも支障を来たし、再手術を余儀なくされた方もご相談に来られました。
一時的に痛みが消失したかと思うと、また他の部位に痛みが生じたり、関節が急激に拘縮を起こし動かなくなる事さえあります。 これまで続けていた競技を諦めざるを得なかったケースや、人工関節の選択を迫られるケースもあります。
特にアスリートを対象とした場合、この手術を行うと、足首や膝、肘や肩など、手術部位から離れた場所で数ヶ月〜数年経って発症することが、海外の研究からも報告されています。
つまり、股関節はそれだけ身体運動にとって非常に重要な部位であるということを意味しています。 プロであっても一般アスリートであっても、手術を受けるにはあたっては、十分な情報収集と手術後を想定した充実したリハビリプログラムの提供が不可欠といえるでしょう。
このようなさまざまな症例に対応するため、ginzaplusでは、各種手術(縫合術、切除術、棚形成術など)後の様々な合併症、後遺症の改善に取り組んで来ております。手術後の影響でお悩みの場合は、一度ginzaplusまでご相談ください。
医療機関において「股関節鏡視下手術」の手術を受けたものの、十分にリハビリを受けることができなかったり、不具合が発生したことにより、ginzaplusにお越し頂いて保存施術にて改善した事例をご紹介します。※この情報はブログにてカテゴリ「@施術事例」ハッシュタグ「#股関節鏡視下手術」「#施術事例・手術後」を指定することでご覧頂くこともできます。