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日本における股関節治療の問題点

日本国内の医療機関でも治療方針に大きな差

股関節痛の治療のために医療機関へ行くと、同じ症状でも、治療方針の違いにより、対処方法が異なるということが現実に起きています。たまたまかかった病院が、手術の専門病院であれば、手術を勧められますし、病院によっては経過観察となります。運良く、保存療法に理解のある先生に巡り会うことができれば、未手術による治療の可能性も広がります。

十人十色、同じ症状であっても、専門や得意不得意によって意見や治療方針が分かれます。これが、股関節治療の世界でもあります。

自分のかかっている病院、または診てもらおうと思っている病院が、手術療法を推奨する病院なのか、保存療法を推奨する病院なのか、その判断は残念ながら外部からはできません。

医療保険制度による“縛り”

国際的な診療ガイドラインや最新の研究報告では、既に「保存療法」が股関節の痛みや運動機能の改善に効果があると報告されています。保存療法とは、外科的手段を用いない治療方法のことで、主に「運動療法」が、医学的根拠がある治療的介入手法として、世界的にも注目を集めています。

ところが、日本の診療ガイドラインでは、残念ながら運動療法の効果についてはあまり触れられず、むしろ外科治療に関心が集まり、本邦の診療実態に適合しないとの理由で、保存療法の一部は採択されていないのが実情です。

その影響からか、保険点数は低く抑えられ、医師の保存療法に対する理解が得られなければ、理学療法士へも指示が下りません。結果的に患者様は保存療法の存在すら知らないまま、手術に向かうことになるのです。

保存療法を勧められた場合も注意が必要です

仮に、医師から保存療法を勧められたとしても、多くは運動療法の専門家ではありませんから、リハビリの方法や運動の内容、詳細についての指導は行われません。その専門家であるはずの理学療法士についても、能力差に大きな開きがある事も問題です。筋力トレーニングが延々と励行されるような10年以上も前の手法が継続されているのが、病院リハビリの現状でもあります。患者様は専門家ではないので、指導された運動内容がご自身の症状に合っているかどうかの判断は難しいといえるでしょう。

幸い、近年ではセカンドオピニオンに対する考え方が広まってきており、積極的に考える医療機関も増えてきています。ぜひ、専門家によるセカンドオピニオンをおすすめします。 ginzaplusでは、セカンドオピニオンも大歓迎です。お気軽にご相談下さい。

手術後のフォローの問題

手術を行った後の対応でも問題が見られます。 医療機関において人工股関節や股関節唇損傷、自骨の骨切りの手術を行ったものの、十分なフォローが受けられず、後遺症に苦しむ方がここ数年で急増しています。手術後の満足度を調査した報告によれば、人工股関節術では82%、骨切り術では67%。その後の脚長差や他関節の痛みの発生が、満足度を下げる要因となっています。

手術さえすれば全てが解決する、とのイメージとは裏腹に、実際にはその後の合併症に悩み、苦しんでいる方が増えているのです。手術さえ終われば退院を促され、その後に不満があっても、定期的にリハビリ通院できる病院は限られ、医師からの配慮がなければ、患者様任せとなりがちです。

股関節の痛みとは、股関節局所にとどまらず全身のトラブルです。関節を手術で整えれば終わりではなく、再発や他関節への負担を考慮し、痛みがあった当時の身体の使い方の癖を整えるまでが、股関節痛の治療と考えるべきでしょう。
※参考) 手術治療を行った股関節疾患患者症例の職場復帰について 2005

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