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[施術事例] 50代 キアリ骨切き術後

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[施術事例] 50代 キアリ骨切き術後

保存施術+ 手術を回避 手術後
【キアリ骨切り術後 15年】

昨日のブログでもご紹介した通り、骨切り手術をすると、経過年数と加齢に伴い人工関節のリスクが高まります。
骨切り手術後の長期成績:https://ginzaplus.com/jp/blog/1375/

ご相談いただいたのは、50代の女性です。

元々先天的な股関節脱臼を抱え、幼少期に右脚の骨切り手術を行っています。その後、30代に入ってから出産後から左股関節に痛みが生じ、大学病院にてキアリ骨切り術を受けています。15年前に行ったキアリ骨切り術後の後遺症(痛みの再発、可動域制限、跛行、脚長差、筋力低下など)により、日常生活動作の不具合に悩まされていました。定期検診でも医師からは手術のアドバイスしかいただけず、もうこれ以上身体にメスを入れたくないとの思いから、ginzaplusへご相談にみえました。

保存施術を繰り返すこと7回、約1年後の成果です。
時間はかかりましたが、当初の痛みは解消され、杖も外し、小走りができるまでに回復されています。

担当医師からは「悪くなったら手術」の指摘ですが、度重なる手術の経験からもう手術はしたくはありません。日常生活を不自由なく過ごせればそれで構わない、との方針です。治療の選択肢に人工関節による置き換えは存在しないのです。

人により、生き方や考え方は様々であり、それに見合った情報提供、治療選択がなされるべきです。ただ、医療機関では保険等の問題もあり、受け入れを拒まれることがあります。我々理学療法士の仕事は、その対象となる方の残存機能を引き出し、それらを開花させて上げることです。この結果に満足できない場合には、人工関節もやむを得ないでしょうが、目標に近づけるための筋道を提示しながら、ご本人も壮大なリハビリプランに納得し、努力を重ね、現在はその結果に満足されています。この場合、無理に人工関節を勧めるのではなく、継続的にメンテナンスを繰り返しながら経過をみていくべきだと判断しています。

最後に、ある研究によれば「キアリ骨盤骨切り術後患者に対して人工股関節の手術を行うと、約9.6年以内に1割が再置換術に移行した」との報告があります。こうした観点からも、できるだけ今ある能力を維持し向上に努めることは、非常に重要な考え方だと思っています。

参照) Schneider E. Total Hip Arthroplasty after Previous Chiari Pelvic Osteotomy-A Retrospective Study of 301 Dysplastic Hips. J Arthroplasty 35, 2020.

ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)



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