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保存療法 動けるけど動けない(動かない)

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保存療法 動けるけど動けない(動かない)

大阪出張への移動の新幹線の車内です。

興味深い記事 https://www.physio-network.com/2018/06/21/rowing-out-of-the-abyss/ をみつけましたのでご紹介します。海外で活躍する理学療法士です。保存療法を実践する上での内面的な要素に関心を寄せたブログを公開しています。どことなく納得できる箇所が随所に。科学的な根拠も交え解説しています。保存療法に乗りやすい人、乗りにくい人。その差がこの内容からも理解できるようです。

彼によれば、痛みの回復が早いかたには大きく3つの特徴があることを述べています。

1. 楽観主義
2. 活動的
3. 立ち直りが早い

つまりは、潜在的に存在する性格が痛みの回復に大きく影響するということです。痛みは主観的なものですから、なかなか数値で対比するのは難しいですし、それら全てを「悪い」と捉えてしまうのにも問題があるでしょう。ですが、痛みへの感受性、域値の幅、痛み刺激の受けとり方など、上記素因を備えた例では、痛みを処理する脳の能力まで異なるようです。
実際の施術場面においても、

「本当に良くなるの?」
「こんなことしても大丈夫なのかしら?」

懐疑的な視点で眺めているかたよりかは「まずはやってみよう」「取り組んでみよう」「続けてみよう」と前向きに行動に移せるかたのほうが、格段に回復のスピードも格段に早いです。

特に、初期の臼蓋形成不全や股関節唇損傷、「変形性股関節症は自分で治せる!」 https://www.amazon.co.jp/変形性股関節症は自分で治せる-佐藤-正裕/dp/4058008822 の中ではAタイプに分類されるようなかたは、ほとんど関節に問題はありませんから、回復の流れに乗りやすくなります。一方で、条件は整っているのに、ブログの作者が指摘するように、内面的なマイナス要素が全面に表出されるケースでは、いわゆる“動けるけど動かない、動けない”ループに陥りがちです。運動の習慣化に時間がかかり、笑顔が戻るまでにお互い相当な労力を費やすでしょう。

こうした例では、運動療法を考えるよりも、まずは身近な生活環境からメスを入れるのが得策です。一見、痛みとは無縁そうな家族問題や仕事などに話題を振り、(前回のブログでも触れましたが)家事やペットの世話を分担できる施策はないのか、あるいは、社会資源を利用した親御さんや孫の面倒を軽減させる手立てはないのかなど、別の方法で痛みの改善を試みることも必要でしょう。以前あった例では、不仲のご主人との離婚をきっかけに股関節痛が解消された。股関節の痛みに理解のあるパートナーと過ごすことで軽減された、なんてことだってあり得るのですから、痛みの悪循環を断ち切る方法はどこに潜んでいるかわかりません。治療選択の第一が、必ずしも、運動療法が最良とも限らないのです。
最後に、医学的な信頼度が高い順に変形性股関節症の治療のスタンダードを載せておきました。ご参考になさって下さい。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)



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