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[施術事例] 40代 寛骨臼回転骨切り術(RAO)後

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[施術事例] 40代 寛骨臼回転骨切り術(RAO)後

保存施術+ 手術を回避 手術後
【RAO後 25年】

変形性股関節症や臼蓋不全に対する寛骨臼回転骨切り術(RAO)は、若年者の軽度変形性股関節症へは良好な成績が報告される一方で、その後の合併症や後遺症も報告されます。学術的に研究論文を読み深めても、結局は「答えがない」「やってみなければわからない」というのが正直なところでしょう。そのためか日本では骨切り手術自体年々減少傾向にあります。骨切り手術をし、進行あるいは末期に至った場合には、医療機関では人工関節に置き換えることを提案されますが、ginzaplusでは、ご本人の病状への受入状況、リハビリへの意欲などを考慮しながら、最適な手段をご提案させていただいております。

ご相談いただいたのは、40代の女性です。

元々先天性の股関節脱臼を抱え、生後6ヶ月と16歳のときにRAOを受けています。その後は順調に経過し、陸上部で活躍できるまでに回復しましたが、5年程前から再発。大学病院の担当医師からは、若いことを理由に今は人工関節のタイミングではないが具体的な方法は提示されていません。手術は避けたいとの一心で、ginzaplusへご家族と一緒にご相談にみえました。

保存施術を繰り返すこと23回、約3年での成果です。
ある報告によれば、「RAO後、人工股関節へと至るまでの平均期間は17.3年。またRAO後の人工股関節の手術はより複雑になるとの理由から、術後に可動域に問題を残すことがある。」と報告されています。つまり、骨切り手術をし人工関節に至ったとしても、それなりのリスクを覚悟しなければならないのでしょう。

今回のケースのように、病状への理解も良好であり、とにかく前向きでリハビリにも熱心に取り組んでいただける場合には、手術の勧めにもすぐに手術を考える必要はありません。このブログの「事例紹介」でご紹介の通り、変形性股関節症の進行期や末期であっても、ご本人の努力次第で回復は期待できるのですから。
事例紹介:https://ginzaplus.com/jp/testimonials/

現在のお仕事はスポーツジムでのインストラクター。普段はバレエレッスンにも通われ、先日は発表会にも参加されています。趣味では、愛犬のドッグショーの準備のためにトレーニングの一環として公園を走り回っていらっしゃいます。

手術回避のために3年という月日がかかりましたが、それとは引き換えに、将来への安心に繋がる筋力とメンタルを獲得されました。骨切り手術をしたことで、骨が変形し可動域が失われ、脚長差まで生じてしまいましたが、今ある能力を最大限に活かし望んだ生活を実現できています。これだけのパワーと俊敏性を兼ね揃えていれば、手術の心配もいらないでしょう。まさに「末期でも動ける」を証明して下さったモデルケースです。

参照)Negayama, et al. Clinical outcome of THA after rotational acetabular osteotomy. Hip Joint ’22 Vol. 48 275-279. 2022

ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)



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