[施術事例] 40代 両側臼蓋形成不全
保存施術+ 手術を回避
日本人には臼蓋形成不全が多いとされています。ある統計によれば、日本人女性の10人にひとりが臼蓋形成不全を抱えているとの報告も聞かれます。それほど今では珍しい症状ではありません。問題は、痛みを抱えるようになってからの対処の仕方です。
ご相談いただいのは、40代の女性です。2階建ての家に引っ越すようになってから股関節痛を発症。2ヶ所の医療機関でははMRIの結果水が溜まっている、両側の臼蓋形成不全を診断され将来的な手術を宣告されています。その後、整体に通いましたが、坐骨神経痛と半年前からは冷え性にも悩まされ、椅子にも座ってられず、5分も歩けないまで悪化しお越しいただきました。
計8回の施術を繰り返し、約1年の成果です。
臼蓋形成不全が、黙って単独で進行するとは考えにくく、ほとんどのケースで「跛行」に伴って徐々に関節症は進行を果たします。
レントゲン画像からもおわかりのように、跛行により骨盤が斜めに傾き、股関節がしっかりはまっていない様子が確認されます。関節の噛み合わせが悪くなり、脱臼方向へと骨頭が動きはじめるのも時間の問題です。
保存施術では、外れかかった股関節を元に位置に戻し、再び脱臼していかないように筋力を強化し、今後に備え、脚長差や可動域制限を引き起こさないように生活動作一つひとつチェックしていきます。そのためには極力自転車での移動は避け、ウォーキングの機会を増やしながら歩数を稼ぎ、さらに、健常者と同じような歩き方が実践できているのか再現性を確認します。
一旦、かばったような歩き方を学習してしまうと、それを戻すのには相当苦労します。歩かなくなると歩く意欲すら薄れてしまいます。脳と身体がカチコチに固まる前に、歩きの乱れ整え、自信を取り戻しましょう。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)