[保存施術] 進行を助長する2つのタイプ

更新 2025年09月28日(日)
カテゴリ股関節の保存施術
ハッシュタグ #変形性股関節症 #痛みのリハビリ #関節リウマチ #出産前後 #メンタル #子育て

動かし過ぎて進行を早めてしまうケース

まず、1つ目は、動かし過ぎにより股関節症を発症させてしまうタイプです。

40代を過ぎてからもう一度身体を鍛え直そう、あるいは、退職後の健康維持に向けて新たに取り組んだスポーツ活動で、股関節痛を発症させこじらせてしまうことがあります。この場合、手術など全く考える必要はありませんが、対応を誤ると悪化させてしまうことがあります。

筋肉隆々のボディービルダーさんでさえも股関節痛に悩まされるのです。

日頃から鍛えていることもあって、同年代の方とは比較にならないほど筋肉のボリュームは十分です。ただし、痛みの原因でもある筋肉のコリを探していくと、ある一箇所に飛び上がるほどの強い痛みを訴えます。

スクワットやレッグプレスなど、股関節を深く曲げる運動で無理が生じているようでした。正式には「インピンジメント(衝突)」と呼ばれる症状です。股関節の深い屈曲で前面の筋肉を巻き込んでしまっているようでした。そこへ大会時に着用される匕ール靴が症状を深刻化させています。

一見、変形性股関節症とは無縁の生活を送っているような方でも、ちょっとしたイレギュラーが重なることで、瞬く間に症状を進行させることがあります。この年代ですと、対応の仕方を誤ると、大事な股関節の命まで奪われることになるで注意が必要です。

動かさな過ぎて徐々に進行させてしまうケース

一方で、こちらは対照的ではありますが、運動不足により股関節症の進行を早めてしまうケースです。

おそらく日本ではこのタイプの方が大部分を占めるのでしょう。簡単に申し上げれば、変形性股関節症との診断を受け、怖くなって動かさくなってしまい、最終的に筋力低下から移動困難となり、医療機関で手術を迫られるケースです。最近では医療機関でも若い方に積極的に手術を勧めたがるので、こうしたケースが急増しています。

病院は、診断とはまた別にあれしてはダメ、これしてはダメ、と行動制限を課してくるので、動くことへの恐怖心が植えつけられ、このように本当に動けなり最後は医療者からは肩を叩かれます。

痛みの内訳をみても、先ほどご紹介した活動派の方とは異なり「身体だけの問題」では解決されず、「精神的な問題」を多く抱えはじめます。本格的な「痛みのリハビリが」が必要な段階です。単に、運動して痛みを取り去りましょう、との考えでは通用せず、運動の基礎から段階的にプログラムを組まないと、再び痛みを抱える以前のような姿勢や歩きを実践するのが難しくなります。

メンタルの影響はリハビリの進行さえも妨げ、「破局的思考」が象徴するかのように、反芻(痛みのことばかり考えてしまう)、拡大視(痛みが自分の中でどんどん大きくなっていったり、痛みの部位が増える)、無力感(やる気がなくなる)など、特徴的な3大症状を呈するようになります。

同じ股関節痛であっても、上記のタイプとはまるっきり異なる人格へと形成されるのです。

こうした症状に陥る前こそが楽に痛みを解消できるポイントですし、こうした兆候が少しでも確認されれば、速やかに脱出の手立てを探らなければ、症状の進行を阻止できなくなるでしょう。

身体だけの問題で解決するのか？

痛みとは、人生をも狂わす重大な疾患でもあり、たかが股関節の痛みであっても、とにかく症状の進行を招かないことが大切です。そのためには、身体だけの問題で解決されるタイミングで確実に痛みを解消させることです。精神的な痛みが併発しはじめると、手術をしても完治には至らず、その後も長期的な闘いが余儀なくされることがあります。こうしてブログを書きながら思うのは、やはり、初めに関わる医療者の発言や責任が重大であるということです。思わぬ落とし穴に足元をすくわれることがないように、きちんと状況を見定め、ご自身の知識と経験で上手に、この痛みを乗り越えていただきたいと思っております。

ginzaplus　佐藤正裕(理学療法士)

更新 2025年09月28日(日)
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