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[骨切り手術の寿命] 患者さんの訴えと学会報告

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[骨切り手術の寿命] 患者さんの訴えと学会報告

次回の出張施術は

今週は3日間、大阪での出張施術がありました。今回は、骨切り手術後の方からのご相談が多くありました。骨切り手術は股関節の手術の中でも一番リハビリ期間が長いとされる手術で、その後の経過も様々であり、5年、10年、20年と経過してくると、様々な変化が確認されます。もちろん20年経っても大丈夫、という方もいらっしゃいますが、私が拝見する限り、何かしらのトラブルを抱えている方が多いように感じています。

次回の出張施術も大阪で行います。3月を予定しておりますので、ご希望がございましたらお問い合わせ下さい。

手術後15年

大学病院に在籍していた当時は、手術さえすればその後の生活も安心であろうと信じ込んでいました。人工股関節も骨切り手術も。ただ実際にこうした場を設け気が付いたのは、実に手術後も不安や不満を抱えている方が多いことです。

執刀された先生方は「手術は成功した」「レントゲン上骨は問題ない」と口を揃え仰るのですが、実際に手術を受けた方たちからは不満の声が聞かれます。骨ではない別の問題がそこにはあると思われるのです。

骨切り手術は当時、リハビリ期間が非常に長いことで有名で、私が勤めていた大学病院では3週間はベッド上での生活を余儀なくされていました(※今は早期離床となっています)。そのため、食事も排泄も同じベッド上で行わなければなりません。今となっては考えられないことです。

それだけ臥床期間が長いので、車椅子への移乗訓練が開始されると、皆さん起立性低血圧に見舞われもうクタクタ状態。リハビリどころではなくなります。さならが宇宙飛行士の地球への帰還時の様相です。

手術後の違和感や痛みの発生時期には個人差がありますが、手術をし10年がひとつの区切りではないでしょうか。本当ならば、医療機関での定期検診の際に必ずみっちりリハビリを行って各種不具合をチェックすべきですが、保険制度上それが難しくなってきています。そのため、こうしたトラブルに巻き込まれ方たちが後を絶たものと思われます。

学会的報告

では、実際に手術にあたる専門の先生方はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。こちらは昨年の股関節学会で配布されていた抄録からの抜粋です。

「2000年頃からポロエチレンの耐摩耗性が改善され、最近では低侵襲と脱臼予防を目的で、前方侵入による筋腱温存温存THA(人工股関節による手術)が注目され、術中ナビや支援ロボットが若い医師の興味を掻き立てている。また医療政策による短期入院も必要となり、骨切り術は敬遠されつつある。以前に比べ人工関節の耐用年数は伸びているが、THAの歴史の長い欧米においてもまだ、術後30年の歴史が報告され始めたばかりである。欧米での対象疾患が一次性OAがほとんどであり、臼蓋形成不全が多い日本でも同様の成績が得られるかが不明である。」

と、いうように骨切り手術を推奨される先生の中には、現在主流となる人工関節に対し問題提起をされる先生もいらっしゃいます。果たして、最新の人工関節は日本人のような骨格体型、臼蓋形成不全に適しているのでしょうか。

また、後半部分では、
「2017年ベルリン大からRAO術後30年の成績が発表された。その中で50歳未満の女性患者の各種骨盤骨切り術とTHAの長期成績を比較し、骨盤骨切り術がTHAを上回ったと報告されている。」と述べられ、やはり、人工股関節の長期成績のエビデンスが不十分である以上、安全面からは骨切り手術に軍配が上がるのでしょうか。

私自身は2009年の開業以来人工股関節挿入後の死亡例を3件(30代、50代、90代)経験しています。それだけ長期成績においては、未知なる問題を抱えているように思われます。

手術後1~2年

骨切り手術をし、術後間もなく症状が現れることもあります。

繰り返しになりますが、骨切り手術とは、骨だけではなく筋肉にもメスを入れる手術です。最近ではテレビで手術の様子を公開して下さるのでイメージし易くなりましたが、最新の手術とはいっても、器具を用いガバっと大きく広げるのですから、あんなに強い力で引っ張って大丈夫なのか心配になります。手術後に突っ張り感やしびれなど生じるの決しておかしくはないのでしょう。

ただ、そうしたちょっとした違和感も見逃してしまうと、例えば年齢的に70歳以上、あるいは若年者でも筋力が乏しい方では、たちまち歩けなくなることさえあります。痛みや違和感→股関節の動きが狭くなる→靴下や爪切りなどの生活動作が不自由になる→筋力が衰える→脚長差、この頃には骨も変形し始めています。

せっかく自分の骨で治したのですから、できる限りもたせたいものです。そのためには、症状に合わせた独自のプログラムを実践しなくてはなりません。もちろん、それぞれに希望や要望もあるでしょうから、さらなる手術を回避するためには、しっかりとしたサポート体制を整えることが大切なのだと思われます。

今回は、骨切り手術を受けた患者さんの声と実際の専門の手術をする先生方の意見をご紹介させていただきました。

ginzaplus 佐藤正裕



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